- ホーム
- 業績アップにつながる!ワンランク上の手紙・メール術
- 第30回 相手に合わせた書き方でコミュニケーションのストレスを減らす
ジメジメッとした湿気を感じる梅雨時です。
寒暖の差が激しく心身に不調をきたしやすい時季でもあります。社長さんも社員の皆さんもお変わりないですか。
自分の心の状態を把握しておくこと。
これも文章を書くうえで大切なポイントです。
よいことがあったときには、文章からも自然とそのウキウキ感が伝わるもの。
その一方で、ショッキングな出来事があったときにはどこか暗い感じになります。そのつもりはなくとも攻撃的な書き方をして周りを不快にさせたりしてしまうものです。
とりわけ、チャットは手軽である反面、気分が色濃く出やすいツールです。
書く側は深く考えることなく文字を打てるため言葉選びが雑になりやすく、読む側は書き手の背景にある状況を短い文面から想像するのが困難なため、コミュニケーションのストレスが生じやすいのです。
大事な意思決定を伝えるのは、頭の中がさっぱりしている午前中や天気のいい日、気持ちが穏やかなときを選びましょう。
書いた文章はいったん寝かせて翌日に読み返すか、信頼できるパートナーに読んでもらうなどして感情の乱れが言葉にあらわれないように気を配ることが求められます。
心の気分だけでなく、社員にも様々なタイプの人がいるでしょう。
中には傷つきやすい人もいれば、あっけらかんとしている人もいるものです。
組織の中の人間関係をスムーズに運ぶために私が心がけているのは、相手に合わせた書き方です。
たとえば、
1.意見をはっきり書く人に対して
メールでもチャットでも自信満々に、ときに傲慢とも受け取れる書き方をする人には、私もはっきりと意思表示をします。
このタイプの人にとっては、はっきり堂々と書くことが「正」「善」であるため、「察してほしい」とほのめかすような書き方をしても伝わりません。
また、反対意見であってもしっかりと反対する理由を伝えることによって「気持ちが通じ合えた」と納得してくれる傾向があるようです。
2.心のやわらかい人に対して
遠慮がちにモノを頼むなど、へりくだった書き方をする人には、私も「残念だけど」「お手数だけど」「勝手をいうけれど」などとクッションになる言葉を使って意思表示します。
このタイプの人には十分な言葉の配慮が求められますが、クッション言葉のほかに「いつもありがとう」とこまめに日頃の感謝を伝えることで良好な関係を保てます。
3.複数の人に対して
複数の人に対して書くときには、様々な受け止め方があることを心の片隅に留め置いた上で言葉を選ぶ必要があります。
マイナスなこと、ネガティブなことばかりの記事を読むと気が滅入るのと同じように、等身大以上に強気な姿勢を演出するのもつかれるものです。
人の心はみな複雑です。その複雑さが共感を呼びます。素直な気持ちをつづることで人間的な魅力を感じてもらえるようになります。