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- 第49回 リモートワークのメール・チャット術(2)
三寒四温の候、いかがお過ごしでしょうか。
春先になると、寒い日が続いたかと思えば急に春本番であるかのような穏やかな天候が続き、その後また寒くなり暖かくなる。こうした寒暖の繰り返しが起こります。
急な気温の変化で体調を崩している社員がいるかもしれません。離れたところにいる人ほど、声を掛け合っていきたいものですね。
さて、今号ではリモートワークの浸透により急増している、メール・チャットによるミスコミュミニエーションを防ぐ書き方のコツをお伝えします。
日頃、企業研修や通信講座の課題添削等を通して、手紙や文章を添削する機会が多くあります。
その中で、ビジネスシーンでいちばん書くのが難しいメール・チャットは「だれかの意見に反対しなければならないとき」に送るものだと感じています。
たとえば、
・WEBデザイナーなど外注先から提示された案に対して、十分な評価がしがたいため、ブラッシュアップを求めるとき
・取引先の管理職や上司など目上からの要望に対して、安易に引き受けられない事情を伝えた上で前向きな解決策を提案するとき
といった場面です。
わたしの目から見ると、仕事ができるビジネスパーソンはこうした反論が非常に上手である一方で、経験の浅さから感情的になりやすい人は、こうした反論がうまくありません。
わたし自身、過去にこうした場面で自らの価値を下げてしまうことが多くあり、痛い思いをしてきました。
だからこそ、年齢を重ねて経験を積みつつある今、主に20代30代が書くこれらの場面のメールを目にすると、「あ、イタタタ…」と感じることがあります。
■NG文例
〇〇課長
先ほどの件ですが、あらためてよく考えてみましたが、
やはりできません。
ほかの方法を考えてほしいのが本音です。
よろしくお願いします。
■NGポイント
「できません」というひと言で解決の余地がなくなり、仕事になりません。
また、一方的に「ほかの方法を考えてほしい」と要望を押し付けるのではなく、「ではどうすればよいか?」を考えて提案することが大切です。
◎OK文例
先ほどは貴重なご意見をありがとうございます。
あらためてよく考えてみまして、
念のため、他の方法についても検討しておく必要性を感じております。
恐れ入りますが、再度、話し合いの場を設けていただけないでしょうか。
上の場合、
1.まず、相手を尊重して感謝します(貴重なご意見をありがとうございます)
2.次に、端的に意見を伝え(他の方法についても検討しておく必要性を感じております)
3.その上で、今後の対応を提案します(再度、話し合いの場を設けていただけないでしょうか)
仮に、あなたの身近に「無理です」「嫌です」「わたしはやりたくありません」といった感情的な言葉で反論している社員がいるとしたら、「前向きに気持ちを伝えましょう」と指導してはいかがでしょう? 彼ら彼女たちの凝り固まった頭の中を切り替えることができれば、きっとよいアイディアを生み出してくれると思います。