こんにちは!
1位づくり戦略コンサルタント
佐藤元相(さとう もとし)です。
働き方改革の動きの中、
労働力の有効活用や生産性の向上を目的として
生産システムの自動化などさまざまな取り組みが
行われています。
しかし小さな会社の働き方改革は、
働く人がやり甲斐や誇りを持って
仕事に取り組むことが何より重要な施策だと
考えています。
そこで良い事例があるので紹介しましょう。
東京大田区に今岡モールディングという
町工場があります。
昭和43年創業で従業員6名。
代表の今岡恵一さんは平成15年に事業を継承し、
特定の金型設計製作を主力にして、
業績を伸ばしています。
どのような取り組みを行っているのか?
今岡社長に話を聞きました。
スタッフは一生懸命仕事をしてくれています。
最近は忙しいせいか、全員疲れ気味で、
なかなか集中できない状況です。
笑顔もなく会話もない、
どんよりとした空気が流れていました。
若い社員に聞いてみました。
仕事は楽しいか?
忙しくて考える暇ありません。
どうしたらいいか、悩んでいました。
そんなときふとスタッフの声が
聞こえてきました。
この部品は何に使われるんですかね?
社員が自らそこ(部品の用途) に
興味を持ってくれたことを
嬉しく思いました。
それと同時に、社員たちは、
この部品が、どんな商品になり、
どのように使われて、
どんな風に社会の役に立っているのか
わからないままに作業をしているのだと気づきました。
そこで、ランチェスターリーダーシップ戦略で学んだ
ウィークリータッチ(週に1回は必ず部下と接触する)の原則から、
毎週月曜日の朝礼で
20分から30分ほど時間をかけて、
勉強会を開催することを始めました。
私は、部品を2つから3つピックアップして、
「自分たちの加工した部品がどんな設備や商品に
使われているのか?」とか
「どのような役割をしているのか?」を
説明することにしました。
航空機の一部に使われていることや、
医療関係の部品に使われていること、
そして自分たちの会社の工作機械の中にも
部品が組み込まれていることなどを話しました。
へえ、この商品は、あの部品に
使われてるんですか?
この商品にもうちの部品が
使われてるんですね。
うちの部品ってすごいんですね
社員の顔に笑顔が戻りました。
ある日、スタッフが
『お父さんは、飛行機の
こんな部品を造っているんだぞ』と子どもに
話したというのです。
子供が熱心に話を聞いてくれて
お父さんすごいと言ってくれたんです。
嬉しかったです。
現場スタッフの意識が
変わりだしたように思いました。
自分たちの仕事に誇り、
やり甲斐をもって
取り組んでいるように感じました。
以上のことから、
やり甲斐のある職場をつくるのは、
社長の大切な仕事だと思いました。
そこでやり甲斐はどんなときに生まれるのか?を
考えてみました。
それは、自分の仕事が人の役に
立っていることを、
自らが実感したときや
相手に認められたときです。
また、人に喜んでもらえたときや
相手から感謝されたときです。
これらのことを自らが実感したとき、
人は、やり甲斐を感じ、自分の仕事に価値を
見いだせるのです。
あなたは部下のやり甲斐を引き出すために
どのような取り組みをしていますか?