こんにちは!
1位づくり戦略コンサルタントの佐藤 元相です。
今回は、製造不況と呼ばれる状況下にて、戦略的なアプローチで新規開拓に成功し、営業成果を4倍に引き上げた町工場の例をご紹介しましょう。
■専門分野と特徴
この町工場は大阪に位置し、社員数は約40名です。彼らの専門は鋼材の切断や加工であり、特に素早い対応が特徴です。朝に注文を受けても、夕方にはすでにお届けすることができる緊急対応が彼らの選ばれる理由の一つです。
■営業エリアの構築
彼らの営業エリアは、工場が集積する地域で、会社から30分圏内に位置しています。彼らの主要な顧客は百貨店の催事やコンビニエンスストアの棚、倉庫などを持つ町工場です。
この町工場では、営業の仕組みを構築するために4人の営業マンが配置されました。彼らは近隣エリアを中心に営業を行う仕組みを作り上げました。
■営業プロセスの具体的なステップ
具体的な手順は以下の5つのステップになります。
1) 顧客のリストアップ
営業エリア内の顧客をリストアップします。
2) 5回の面談訪問計画
顧客との面談を5回行う計画を立てます。
3) 5回訪問のためのプロフィールシート作成
それぞれの訪問に向けてプロフィールシートを作成します。
4) 対話の始まりとゴール設定
面談時の対話の始まりと終わりを明確に設定します。
5) 実行と改善
計画を実行し、結果をもとに改善を繰り返します。
■営業マンの連携
営業エリアは2つに分割され、それぞれの地域を2人の営業マンが担当しています。営業マンたちは顧客リストを毎週火曜日に共有し、進捗状況を確認し合います。このミーティングではお互いの課題に対してアドバイスをしたり、ロールプレイングを行うことで営業対応の課題を見つけ出すこともあります。
■アプローチの変革と成果
彼らが利用している営業ツールには、プロフィールシートとマンダラシートがあります。マンダラシートには趣味やプライベートな側面が掲載され、人間関係を構築することを重視しています。
訪問時の対話は積極的な売り込みではなく、関係性を築き、興味を引くことを目指したものです。「当社は即日対応も可能な業務体制を整えています。万が一の時にもお役に立てます」という強みを伝えることが焦点です。
このようなアプローチを同じ顧客に1週間に1度、5回繰り返した結果、驚くべき成果が現れました。2人の営業マンともに、見積もり依頼件数と成約率が2倍から4倍に向上したのです。
■成功の要因
この成功の鍵は、売上管理ではなく、行動管理にあります。営業は才能やセンスだけでなく、特定のパターンに従うことで成功へとつながることが証明されました。
この事例から得られる重要な教訓は、戦略的なアプローチとそれを継続することの重要性です。計画を実行し、その結果をもとに改善を続けることで、顧客との強固な関係構築と営業成果の向上が実現することができたのです。