明けましておめでとうございます。
2009年も、厳しいスタートとなりましたが、活き筋を見つけ出し、元気に明るく全社を引っ張って行ってください。
アメリカの新聞王「W.R.ハースト」(1863~1951年)の名前を記憶されておられる方は、少ないかも知れませんが、彼の言葉と伝えられる
「君は写真を送れ、私は戦争をつくる」は、有名である。
ことの真偽は、今となっては不明であるが、マスコミの本質を突いている点では、100年たった21世紀でも変わっていないと思う。
大きな出来事、それも不幸な事件であればあるほど新聞が売れる。ましてや何度も何度も繰り返し同じ情報を聞き悲惨な写真を目にすれば、多くの人たちはすっかり信じきってしまう。
決して事実を捏造しているわけではない。50も100もある事項の1つか2つを特筆して解説を権威者が論じれば、それが全体の真実と誤解をしてしまう。
経営者、それも創業者であれば、TVや新聞、雑誌の報道を鵜呑みにして経営方針や営業方針を変更することもないが、役員や部長ましてや社員は、世間で定説のように言われることを、あたかも自分の意見のように思い込んで、仕事も生活もあらゆる判断、行動を決めてしまう。
実際に仕事で毎日、毎日お客様に接し、売上を積み上げていくのは若い社員であり現場を預かる幹部の人たちである。この人たちに、社長が考える経営環境、自社の成長エンジンとなるお客様や商品、またその売り方を将来に必ず光が見えるように熱く語り続け、全社員が「できるんだ!」と信じきれるほど浸透させなければ、どんなに正しい経営戦略を立てても成果に結びつかない。TVの力は想像以上に強い。
社長として年頭にあたって気をつけなければならないことは、決して「不況で大変だ!」と言ってはいけない。危機感を持って仕事に取り組んでもらいたい気持ちは、わからないではないが、社長と社員では立場が全く違う。ましてや、状況判断力がもっと違う。
それともう一点。社内それも幹部の中に「会社(社長)に批判的な人がいないか?」「発言に行動が伴っていない」「分派を作って徒党を組んでいる」人がいないかを冷静に観ていてほしい。本人は決して、そんな気持ちはないかもしれない。よくあることは、「自分では、できもしない理想的な、べき論」を言うことである。
でもこれを許してしまうと全社一丸で乗り切らなければならないときに戦力が半減してしまう。
一言、「その通りだ!」「いい意見だ!」「で、どう実行すればいいんだ?」と、畳み掛けて欲しい。ただ、社長の前と社長がいないときの発言、態度が一致していないのが特長である場合が多いので「冷静に」と書いたつもりである。
デフレ再来の2009年になりそうだが、攻守両面に我々は経験済みだ。自信をもって立ち向かおう。
(2009年 年頭)