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123話 《日本料理の最高峰で秋分の勉強会》京味@新橋

大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

 私のよくいく和食店に『京味』という有名店があります。
『美味しんぼ』にも登場する『京味』の店主の西健一郎さんには、料理のことはもちろん、過去の苦労話など、いつも貴重な勉強をさせていただいております。
そんな、西さんの商売の姿勢として特に勉強になるのは、料理に対する考え方、姿勢とお見送りです。
 私は、八十歳をゆうに超える西さんに負担をかけまいと、タイミングを見計らって軽く会釈をしてお店を後にしようとするのですが、どんなに忙しいときでも、店舗の前でお見送りをしていただくのです。申し訳ないので、すぐ、角を曲がりますが、曲がり角で振り返り会釈をすると手を振っていただけます。
私は、『京味』で食事をして帰るととても幸せな気分になります。そして、西さんの料理を通して喜んでいただきたい、そして、繰り返し来店していることへの感謝の気持ちが実感できます。
でも、単に見えなくなるまで見送るだけではこうは感じないでしょう。
「料理人は銭勘定に走るようなことをしてはいけない」
「料理を通して喜んでいただけば、飲食店は潰れるような商売ではない」
こんな話をいただいたと思います。

今回は、秋分の次候・蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)のお席を紹介いたしましょう。金木犀が咲き、鰯雲が出るこの季節、寒気が降りて来て寒く、南には台風があり、まさに秋分という印象です。
 まずは、先付けです。
梭子魚(かます)の鮨、若狭鰈、湿地茸と春菊の胡麻和えです。
香ばしい胡麻と脂ののった梭子魚です。
青い楓の葉をあしらってあります。
とても素晴らしいスタートです。

二品目は、信州の松茸と湿地茸の焼きものです。
ぽん酢に浸して。
もはやピークの寒露の次候・鴻雁来(こうがんきたる)で最大ピークになる松茸、やや時期が早い湿地茸です。
次回は丹波の松茸を食べることができるかもしれません。

鱧、落としと焼き霜
酢味噌と梅肉にて。
松茸が来て、鱧と季節の移ろいを感じる流れです。
続いて、ジュレをまとった雲丹。
百合根がかくれています。

鮑の唐揚げが続きます。
一口大の鮑のもちもちした食感と振り塩が良いです。

お造りは、真鯛と鰹です。
鰹は刻んで塩であたりをつけた九条葱が添えてあり、たいへんおいしいです。

鱧と松茸の椀
鱧の骨の濃厚な出汁にたっぷりの松茸を入れて炊いた吸い地はとても香ります。
いやはや、しみじみとします。たいへん、美味しい。

焼き物は、若狭ぐじです。
あしらいはサツマイモです。
ぐじの皮は『京味』の名物の煎餅スタイルにて。
おお、楓が紅葉しています。
お皿の上の気遣いがすばらしいですね。

松茸のフライ
西さんが疎開した丹波では焼きかフライで食べることが多いそうです。
サクみのあとウスターソースのスパイシーさがきて松茸の味わいが来ます。
後味にパン粉の甘さが残ります。

〆は松茸ご飯。
いやー、松茸尽くしでしたね。

せっかくでので、
マスノスケのハラスご飯もいただきます。

〆はぜんざいで。
しみじみします。

西さんは、食事をしているときから一貫して喜んでいただきたい、という気持ちをこめられており、〆としてお見送りで感謝を伝えているのでしょう。
私は、このような、感謝の気持ちを自分はできているだろうか、いつも考えます。
商品やサービスに心をこめて、喜んでいただけることをちゃんとしているだとうか、とも考えます。
そんな、自問自答を繰り返し、お客様にご来店いただき、そして、お見送りをする。こんなことが自然にできたなら、お客さんはお店のすばらしさを実感して、自ずと評価が上がるのです。
ひとりあたり五万円前後の授業料ですが、いつも、満員御礼なのは、商売の姿勢にあるな、といつも実感するのです。

京味
東京都港区新橋3-3-5 
電話 03-3591-3344

 

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