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第71回「外食のあらゆるシーンで、注文0分、会計0分を可能にするプットメニューを提供」ジャストプランニング

深読み企業分析

ジャストプランニングは外食産業向けにASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)事業やシステムソリューション事業を行う会社である。ただし、このビジネスは競争も激しく、また顧客ごとにカスタマイズするため手間もかかり、近年の収益性は低下傾向にある。
 
その同社が2018年2月に立ち上げた子会社プットメニューは、外食店において来店客自身がスマホを使ってセルフオーダー及びオンライン決済を行うことで、「注文0分」、「会計0分」を実現するサービスである。すでに実用化されている中で、プットメニューの効果が極めて認識しやすい例として、スポーツスタジアムでの使用例がある。
 
これはバスケットボールで最も人気があるチームの千葉ジェッツのスタジアムでの使用例になる。バスケットボールの試合ではハーフタイムに観客がファーストフード店に殺到して、注文までの待ち時間が平均で20分に達していた。その結果、ハーフタイムが終わってしまい、試合が始まる時間に間に合わないことが頻発して、ネットでも非難の投稿が相次いで、しばしば炎上することがあったようである。
 
そこで、同社のプットメニューを導入して、待ち時間の解消を図ることにした。観客はハーフタイムが始まる少し前にスマホで注文し、決済を行って、出来上がりの通知がスマホに届いたら、店舗に注文したファーストフードを取りに行くだけである。注文からおよそ5分で受け取れるようである。こうして、スタジアム全体のファーストフード店で待ち時間がゼロとなり、しかも店舗の売り上げが導入前比で25%増となる成果も得られた。
 
この仕組みはフードコートや高速のサービスエリアなどでもほぼ同じパターンで導入できる。すでにイオンのフードコートでも導入済みである(2018年1月にイオンモール幕張新都心で導入)。中でも特に期待されているのが、観光地を丸ごとプットメニューでカバーするプロジェクトである。同社では2018年11月に子会社プットメニューと5省庁の後援で全国の観光自治体と観光促進を推進する「温泉総選挙」との提携を行なっている。
 
これは、一つの観光地を丸ごとプットメニューでカバーし、国内のあらゆる観光シーンを12言語対応で街ごとキャッシュレス化しようというもの。いわば、国策である観光立国とキャッシュレス化を地元企業の負担を最小限にしつつ成し遂げようというプロジェクトである。現在、政府は観光立国推進とキャッシュレス化の推進を図っており、2020年までに訪日外国人旅行者数を4,000万人、訪日外国人旅行者消費額8兆円の目標を掲げている。しかし、都会の飲食店等でのキャッシュレス化は進んでいるが、実際にインバウンドが多数訪問する“地方の観光シーン(ホテル・旅館・飲食店・お土産店・観光名所・食・物産、体験イベント・スポーツ観戦など)“ではまだまだ導入が進んでいない。
 
そこでプットメニューは、「温泉総選挙」より2018年12月から観光地活性化推進システムとして認定され、プットメニューの導入を店舗や施設単位ではなく、全国の観光自治体や観光協会などの街単位で特別プランを提案し、導入を推進してインバウンドを含めた消費拡大を図るとしている。キャッシュレス化に加えて、プットメニューには12言語への翻訳機能もありインバウンド対応にはまさに打ってつけである。
 
当初の計画では2019年3月までに5観光地での試験導入を踏まえて、2019年9月までには20観光地、2020年3月までには100観光地への導入を行う予定であった。ただし、実際は最後の個々の事業者への操作方法の説明などに時間がかかっており、第1弾として間もなく「妙高高原」で導入が行われる段取りとなっている。しかし、観光地側とすれば、2020年のオリンピックまでには何とか導入したい意向があると思われ、試験導入によるバグの修正などを経て、行けるとなれば急速に普及する可能性が考えられる。
 
 
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有賀の眼
 
同社のビジネスは、ネットビジネスの立場からリアルのビジネスのビジネスモデルを変えようという試みである。仕組み自体はネットビジネスであるので、リアルのビジネスから見ると他人事のようにスルーしてしまいそうである。
 
しかし、ネットビジネスの動きをリアルのビジネスから眺めていると、ネットビジネスサイドからは気が付かない技術の応用が見えてくるかもしれない。そういった意味から言えば、ネットビジネスのこのような最新動向に常に目を凝らしておくことは、リアルビジネスの経営者にとっても大切なことではないかと思われる。
 

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