エマニュエルさんはフランソワさんの友人であるマルク・ヴェラさんが夏だけ営業していた三ツ星レストラン『フェルム・モン・ペール』でスー・シェフを務めていた。そんなこともあってか、それらしい雰囲気が至る所に醸し出されております。

最初のアミューズは魚のすり身のコロッケ、ポレンタの上はベニエ、スモークしたクリームで中には緑のアルプスの草のソース――おそらくネズが入る。アルプスの香草を使った三種の盛り合わせ、見た目もきれいでなおかつうまい。
大根の食感を楽しむアミューズが出てきて、メインダイニングに移動。今日は冷蔵庫代わりの菜園の前の席にアレンジされた。
旅の友、豆乳屋の美盛(よしもり)寺田さんがそんなに飲めないこともあり、ワインは通して飲める一本を選ぶことに。このアミューズの雰囲気からすると、コンドリューが良さそうだ。“2010 DePonsins Condrieu Francois Villard”にする。
まずは、トマトと圧力をかけて抽出したトマトの液体。酸味のある液体はとろみがあります。上の氷を割りながら、食べる塩梅がいい。
二皿目は、フランソワのワークショップで作った生春巻きの洗練版だ。見た目は焼肉屋のサイドのサラダのようだが意表をつく。散在している調味料だが、これが不思議なことに口の中で最後にまとまる仕掛けになっている。心憎い。
三皿目は緑の野草のピュレの見た目のスープ。液体が下にあるのはわかるがなんだかわからない。スモークしたミルクが下にあり、これは「う・ま・い、や・ば・い!」。チョイスしたコンドリューから果実味があふれ出る。マリア―ジュされた!
続いて四皿目は、クリームのかかったような皿だ。実は芳醇な香りのセップのクリームで、下にはジロールとセップが敷いてある。ワインの果実味がさらに増す。セップとチーズ。ワインの印象が酸味に変わりすっきりする。
ジェネバ(Geneva)湖のエクルビスにスプーマが五皿目、続いて、ジェネバ湖の魚、おそらくFeraが六皿目。ジュネバ湖の魚に添えているクリーミーな野草のソースが美しい。
八皿目のメインは鳩。鳩ゆえワインはポイヤックがおすすめということだ。
最後はデザート。いくつものデザートがテーブルに置かれていく。まず、フルーツと綺麗に盛り付けられたフロマージュブランのデザート。これが絶品だ!
最後にエマニュエルのキッチンを案内していただく。次回は「一緒に山で野草を採りに行き、キッチンで食事をしよう」ということになった。非常に楽しみである。



















