しかし、どうしても天ぷら屋に行きたかったので、コンピューターと睨めっこして探すことに、ようやく、良さげなみを見つけました。それが、今日、御紹介の『天ぷら たけうち』です。
「なんだろう、博多南って」住所を見ると「福岡県筑紫郡那珂川町今光6-64-1」とあります。マップに入力すると「現在地から8.5km」と出ます。
「こんな近くに新幹線の駅があるのだろうか?」
「駅すぱーと」で調べると、乗車券200円、特急券100円でいけるとあります。しかし、電車は「JR特急」と書いてあります。で、電車が一時間に一本で9分で着くらしい。意味不明なので、「駅すぱーと」を信じて、博多駅に。
すると、ハンズ口の券売機のそばにいる係員さんに聞くと、券売機のセットをしてくれて、乗車券+特急券で確かに300円。ずっと突っ切って一番奥の「新幹線フォーム15番線に行ってください」とのこと。無事、1時間に一本のレアな博多発博多南行き、9分の旅に出ました。
タクシーの運転手さんに伺う、「どうやらこの区間だけのJR九州のJR西日本から車両を借りてのチャーター便で、一日3000人乗車が損益分岐点、でも20年たった今1万5千人乗って、足となっている」とのことです。いやー、勉強になりましたね。
そして、刺身と続きます。次々と出てくるようです。まず、玄海の2.7kの真鯛です。福岡には珍しく寝かしてあり、旨みがあります。さらに鮎の魚醤でインパクトがあります。
ふっくらした長崎の赤ムツが続きます。岡山の牡蠣オイル漬け、温めてあります。五島の真鯖・ポン酢のジュレ添え。鯖は締めて藁で燻しています。
続いて、焼き物、鰆の味噌柚庵焼きが供せられます。お酒のあてにと、車海老の味噌と芹と大葉の珍味が出てきます。大葉の爽やかな香りがとてもいい一品です。
からすみが出て、百合根と新潟の岩海苔の茶碗蒸しがきて、ふたつめのお酒、青森豊盃がきます。
蒸し鮑に続いて、5日寝かせた鰆と蝦夷馬糞ウニの握り、天草の海苔で巻いた壱岐の天然本鮪の手巻きが続きます。
聞けば、店主は、独立前は神楽坂の和食店で、修行したとか。私は思わず、「わかりやすく、天ぷら屋にしたんですか?」と聞くと、この地で、懐石コースは難しいということで、わかりやすく天ぷらでスタートして、余裕が出たらいろいろやろうということだそうです。開店して10年以上たち理想像に近づいたそうです。
大きな、玄海の子持ちのハゼが来ます。これは美味しい。
合馬の筍、北海道雲子と続いて、水菜となんかんあげのお浸しが箸休めで出てきます。なんかん揚げとは熊本南関町の分厚い油揚げで、南区の『ごさの』の稲荷で浸透、それがいろいろな店に広がったそうです。
熊本の原木椎茸と北海道の帆立、玄海のスミイカ、熊本バッテン茄子と続きます。茄子がジューシーで食感が良く、うまいですね。聞けば、バッテン茄子は大阪水茄子系統を熊本のJAが品種改良したそうです。
岩手大船渡牡蠣、糸島のぶっといアスパラが出て、ここまででひと通りです。

〆は天茶。味噌汁、香の物がつく。香の物もうまい。
帰り道は15分歩きましたが、とてもウキウキした気分になれました。博多駅界隈に泊まっていれば、電車の時刻にさえ合わせれば、そんなに遠くなく、費用もかからないので、訪問する価値があると言えるでしょう。


















