https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2013/pdf/001.pdf
https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/shinkokuhyohon2013/pdf/gaiyo.pdf
一方、労働者の所得はバブル崩壊後下落傾向が日増しに進んでいます。人口減少、生産年齢人口の激減も大きいでしょうが、可処分所得がとても低く、節約志向が高くなっているのも事実でしょう。
(参考)給与所得の分布
階層 |
男性 (単位:万人) |
男性割合 (%) |
女性 (単位:万人) |
女性割合 (%) |
---|---|---|---|---|
100万円以下 | 88.4 | 3.2 | 333.1 | 17.6 |
100万円台 | 205.1 | 7.5 | 493.3 | 26.1 |
200万円台 | 370.3 | 13.4 | 411.7 | 21.8 |
300万円台 | 515 | 18.7 | 294.3 | 15.6 |
400万円台 | 471.7 | 17.1 | 168.4 | 8.9 |
500万円台 | 357.1 | 13 | 90.2 | 4.8 |
600万円台 | 232.4 | 8.4 | 41 | 2.2 |
700万円台 | 164.5 | 6 | 23.4 | 1.2 |
800万円台 | 110.3 | 4 | 12.5 | 0.7 |
900万円台 | 69.8 | 2.5 | 7.2 | 0.4 |
1,000~1,500万円 | 124.3 | 4.5 | 12.5 | 0.7 |
1,500~2,000万円 | 26.7 | 1 | 2.5 | 0.1 |
2,000~2,500万円 | 7.5 | 0.3 | 1 | 0.1 |
2500万円超 | 10.4 | 0.4 | 0.9 | 0 |
2753.5 | 1892 |
統計元:国税庁 平成25年 民間給与実態統計調査結果
2014年4月に消費税率が8%となって、『吉野家』は牛丼(並)をまず300円に値上げし、同年12月には380円に値上げしました。『すき家』は増税後牛丼(並)を一旦270円に値下げした後、2014年8月には291円、15年4月に350円へ値上げをしました。一方、『松屋』は280円の牛めし(並、味噌汁付き)を2014年4月にを290円に改定と増税分の転嫁にとどめました。しかし、同年7月に、関東一都六県では「プレミアムめし」に切り替え、380円としています。
施策の違いがもたらした結果は、牛丼チェーン大手3社の15年11月の業績に顕著に出ました。『吉野家』が前年比マイナス7.3%、『すき家』が前年比マイナス0.6%である一方『松屋』は前年比プラス3%で推移しています。
私は、牛丼は、税込300円を超えると気軽さが減り利用動機が大きく変わるという商品特性があると考えています。ちなみに、『ほっかほっか亭』ののり弁の価格は税込340円で『ほっともっと』ののり弁は税込350円で牛丼(並)380円はこれらの売価を上回った値付けであることも大きいといえるでしょう。そのため、一都六県以外が牛丼(並)290円である『松屋』がその需要を吸い上げ、顧客価値を一社で吸い上げているという仮説が成り立ちます。
牛丼のような日々のランチ需要に応えるビジネスモデルなら、利用頻度が高く日常性が高いニーズを想定します。その上で、弁当・店内での利用回数を最大化する単価設定と年間利用回数を考えないといけないのです。
より多くの人に喜んでいただけることということでいきついたのが200円カレーだそうで、そのために、人件費など様々な無駄を省いたそうです。
カレーは600gあるそうで、米は新潟産、玉ねぎや鶏肉も国産だそうです。ボリューム満点です。味は“ふつう”。実際、ホームページには、レストランの味ではなく、ふつうの味にしたと書いてあります。個性を減らすことで商品としてのマイナス点を削除して多くの人に受け入れられるようにしているのでしょう。味付けは塩味が強めに感じます。一般的なチェーン店のカレーの主原料はラード、小麦粉、塩、旨み調味料(味の素など)です。もしかしたら、炒めた玉葱を多くして旨み調味料を抑えていることに起因するのかもしれません。いずれにせよ、600gのポーションも相まって、満腹中枢を刺激します。
この店を見ていて思うことは、200円の売価となると面白いのは、カレーをまとめ買いする人が多いことです。牛丼戦争のころ、おもち帰りの牛丼も購買層を広げ、家庭の主婦層に広がった結果、「自分のお弁当」というコアの需要から、まとめ買いに広がり、客単価が上がったことを思い出します。 しかし、そのため、提供に時間がかかり、いわば、“らーめん二郎本店”と同じような行列状態になり、気軽にという部分が大きく後退しているように見えます。実際、私は10人待ちで25分くらい提供にかかりました。
しかし、これくらいのカレーが200円で提供されるなら、ありですね。
※生産活動に従事しうる年齢の人口。日本では総務省統計局による労働力調査の対象となる15歳以上人口がそれにあたる。生産年齢人口は,さらに働く意志のない非労働力人口と働く意志のある労働力人口に分けられる。
出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典