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第50回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:御堀堂外郎

オンリーワンで勝ち残る企業風土づくり

~理念を軸に経営すれば、老舗企業は利益を生み出せる!!~
山口旅行のお土産としても人気の高い「山口外郎」。
わらびの根からとれるわらび粉を使う「山口外郎」は、他地域の「外郎」とは一線を画す味を提供しています。
 
その秘密は、糊(のり)としても使われていたこともあるわらび粉の食感、風味。
 
わらび粉という貴重な素材を使う特徴ある「山口外郎」のメーカーでも、
特に伝統の製法を一筋に継承している名店が「御堀堂」です。
 
同社は昭和2年に山口で創業、従業員数70人(2016年現在)の売上高4億円(2016年度)。
代々引き継がれる御堀堂の外郎は、「山口外郎」の創始、山口大内御堀の福田屋さんの伝統を受け継いだ製法により、生産され、日持ちする必要のあるお土産にもあえて保存料を使用せず、伝統の味を伝えようとしています。
 
老舗企業である御堀堂は、
<伝統の製法を忠実に守る> ことを企業理念とし、
伝統の味の美味しさを通じて、
顧客に支持されるビジネスモデル(利益を生み出す仕組み)を構築しているのです。
 
~鮮度にこだわれば、老舗の伝統の製法は活きてくる!!~
御堀堂の本店はJR山口駅から徒歩3分にあり、開店は午前8時。
出来上がりから早ければ早いほど美味しい「生外郎」を求め、
開店からひっきりなしにお客さんが訪れます。
 
「生外郎」は夏季でわずか2日、冬季で3日しか日持ちがせず、そのため山口県内の他社で作られる外郎も、日持ちがするように真空パックされたものを提供しています。
が、
御堀堂だけが真空パックしたお土産商品にも日持ちさせるための保存料を一切使用せず、賞味期間を1週間とし、伝統の手づくりの味をそのまま顧客に届けようとしています。
 
御堀堂の商品が、山口周辺のお店や本社でのお取り寄せでしか購入できないのは、伝統の美味しさを伝えるには、鮮度が不可欠であると認識しているからに他なりません。
 
同業他社である多くの老舗企業が、日持ちのする商品をつくりお土産販売を拡大し、鮮度より売り上げを重視している中、同社は、企業理念を軸に、製法だけを継承し守るのではなく、その伝統の美味しさをも継承しようとすることで顧客の支持を獲得しているのです。
 
~手づくりで老舗が支持されるには?存在意義が不可欠!!~
御堀堂の堂主は今3代目の田中米吉氏。
同社は元祖の店「福田屋」に伝わる製法を引き継ぎ、初代・田中順助(じゅんすけ)、2代・忠治(ちゅうじ)、そして現当主・米吉(よねきち)氏の3代にわたって伝統の味を守り続けています。
 
なぜ御堀堂が3代にも渡って顧客に圧倒的に支持されるのでしょうか?
 
それは同社だけが継承する手づくりへのこだわり(以下)にあります。
 
手づくり1・『本わらび粉』は鹿児島産で、手作業で製粉された“上”あるいは“極上”に分類されるものを使用
 
手づくり2・練り合わされる小豆餡(同店特製)は、北海道・十勝産の小豆の皮をむいて、豆の白い部分のみを手作業で丁寧に煮込み、最上級のこしあんに仕上げる
 
手づくり3・小豆餡は手練りで仕上げられる(機械で練り込むと豆の粒子が崩れてしまい、せっかくの風味が失われてしまう)
 
「山口外郎」は、江戸時代中期には既に存在していたという記録が残り、その当時、名物「白外郎」を製造・販売していた店こそが、「山口外郎」の元祖といわれる「福田屋」。
その後、「福田屋」が「梅旭堂(ばいきょくどう)」という名の茶店を出して人気を博し、その歴史を継承しているのが「御堀堂」です。
 
老舗企業は伝統の製法にこだわり、手づくりを踏襲します。
しかし、多くの老舗企業が売り上げを重視するために、その鮮度にまでこだわり、日持ちするための保存料を一切使用しないという経営判断を下せません。
 
老舗企業の存在意義とは、
「地元に密着した地元の顧客に選ばれるお店になること」で、
それは理念<伝統の製法を忠実に守る>に沿って、
大量販売ではない手づくりの伝統の美味しさを
鮮度を通じて伝えることにあるのです。
 
御堀堂HP(会社概要)
 
 
 
 
 
 
 
 

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