menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第37回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:アルバートソン~

オンリーワンで勝ち残る企業風土づくり

~起業時の想いを貫けば会社はオンリーワンになる!!~
「オンリーワンで勝ち残る企業風土づくり」

<社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:アルバートソン>
勝ち組と負け組が明確になる今、経営者の判断がブレると会社は、これから負け組に入ってしまうでしょう。しかし、経営者の判断が理念を軸に、ブレなければ、会社は、生き残り、勝ち残ることが可能です。
なぜなら、先行きの見えない日本で現場は、経営の判断が常にブレない会社なら、その会社を信頼して“ついていこう”と思い、顧客の声に耳を傾け始めるからです。
会社は、永続する必要があり、永続させるには儲からなければならず、そのためには、顧客の声を聴き、必要とされる会社になり、利益を生み出すことが不可欠です。
経営者は代わりますが、変わらぬ経営理念を軸にブレない経営を実践し、会社の風土を築けば、現場が一つとなり、顧客になくてはならない会社には何が必要か?探り当てることができるのです。
そこで36回連載を終わり、今回からは全3回で“M&A”をキーワードに会社が企業風土をどのように経営理念とリンクさせれば顧客を創造できるか?を、現場士気を向上することで売り上げをアップさせている会社を事例と共に解説いたします。
 
~企業理念がビジネスモデルを醸成する!!~
日本企業が以前高収益を仕組み化した企業としてこぞって視察したアメリカのスーパーに、アルバートソンという会社が存在します。
 
創業は1939年、創業者ジョー・アルバートソンがアイダホにグロサリーストアをオープンしたのが始まりでした。
 
同社の企業理念とは、
「お客さまが欲しい商品を、
お客さまがお支払いいただける金額で、
あふれるやさしさと愛をもって提供しなさい」 というもので、
創業時から同社は、この企業理念に沿って、
当時の食料品店の常識を破って通常の8倍の面積の大型化店舗を開発、
<お客さまが欲しい商品>
=パン、肉の加工品、雑誌など当時スーパーでは扱われないような商品を
<お客さまがお支払いいただける金額>
=店舗面積の拡大により 提供したのです。
 
<アルバートソンの企業理念=ビジネスモデル>
大型化により、来店客に関連商品を購入してもらう流れを醸成し、客単価をアップさせ売上げ増を可能とすると共に、大型化による売場効率向上で、収益率アップも狙う
 
~企業理念に沿ったM&Aだけではチェーン経営は成り立たない!!~
アルバートソンは1951年には、スーパーとドラッグストアとを組み合わせたコンビネーションストアを大型化の新業態として開発。
企業理念に沿った店舗の大型化は、コンビネーションストアという新業態によって他社との差異化となり、お客様が買いやすい価格以上の価値を提供するに至りました。
 
企業理念を実現するための店舗の大型化は、アメリカの景気回復と車社会の出現と重なり、同社の展開する新業態コンビネーションストアは、郊外型食品スーパーマーケットとして大当たり。
売場面積2000坪弱のスーパー&ドラッグという大型店舗によるチェーン経営は1960年上場を果たすまでに成長しました。
 
1970年代に入ると、店舗拡大に不可欠なチェーン経営の核になる10000坪の物流センターを建設。
これにより売上げも2倍となり、同業他社にM&Aを仕掛け、1990年代末には、全米38州に2400店舗を展開するまでになります。
 
が、
毎日がロープライスを掲げる同社のチェーン経営は、巨人ウォルマートの出現により、価格競争において利益を生み出すことができる経営戦略に成りえず、一時は売上げ3000億円を超えた同社は、2006年、3つに分割され、完全売却されることになりました。
 
~M&Aは企業理念によってこそ生き返る(シナジー=相乗効果)~
大型店舗で成功したアルバートソンは、
下記3社
・スーパーバリュー(食品卸兼食品スーパー)、
・CVS(ドラッグストア)、
・サーベラス(投資信託ファンド) に総額約2兆円で売却され、
同社が開発した655店舗のコンビネーションストア(スーパー&ドラッグ)は、
新生アルバートソンとしてサーベラス(投資信託ファンド)が引き継ぎ、
2015年には、チェーン経営で生き残るべく、(ウォルマートに対抗)シェアー拡大に向け、同業競合他社セーフウェイをM&Aします。
 
現在新生アルバートソン(ABアクイジションLLCという統合企業の傘下、実際はサーベラス(投資信託ファンド)グループ(開発業者も存在)が経営)は、
会長にアルバートソンのCEOボブ・ミラー氏が就任、
セーフウェイのCEOロバート・エドワード氏は社長兼最高経営責任者となり、
創業者ジョー・アルバートソンの想い(同社の企業理念)を以下のように現場に具体化しています。
 
新生アルバートソンの企業理念
“we want to run really great stores and
 provide great customer service”
(お客様を本当に素晴らしいお店で素晴らしい顧客サービスでもてなす)
 
<創業者ジョー・アルバートソンの創業時の企業理念を現場に具体化>
「お客様を本当に素晴らしいお店(お客さまが欲しい商品を、
お客さまがお支払いいただける金額)で、
素晴らしい顧客サービスでもてなす(あふれるやさしさと愛をもって提供しなさい)」
 
今新生アルバートソンは、創業時の想いに立ち戻り、企業理念を軸に現場ベクトルを一つにし、M&Aによるシナジー効果を創出し、ウォルマートに対抗しようとしているのです。
 
新生アルバートソンHP(M&Aでシェアー拡大全米2200店舗店舗展開)
http://www.albertsons.com/our-company/traditions-history/
 

第36回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:SASインスティチュート~前のページ

第38回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:サントリー~次のページ

関連記事

  1. 第44回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:コロンビアスポーツウェア

  2. 第35回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:ベン&ジェリーズ~

  3. 第10回 会社をオンリーワンにするブレない経営とは?~事例:シャングリラホテル

最新の経営コラム

  1. #1 一流の〈ビジネス会食力〉-前始末で勝負あり-

  2. 第48回 「未来への投資」は数字の外にある

  3. 第212回 税務調査にひるむな!

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. コミュニケーション

    第196回「スピーチには、拍手より、笑い係をしよう」  
  2. 戦略・戦術

    第76回『生産性を高めるためのチームビルディング』~最強のチームを作るチームビル...
  3. サービス

    8軒目 「ユーモアのある最高級焼肉屋」
  4. 社長業

    Vol.154 後継への心構えと準備は大丈夫か!
  5. マーケティング

    第4話 V字回復の始まりにUSJが打った次の一手
keyboard_arrow_up