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人間学・古典

第十一話「トップ不可欠の任務」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機

※本コラムは2000年代に井原隆一氏が書き下ろした「不況は会社守成の好機」全41話のコラムを再連載するものです。



韓非子に“明主のその臣を導制する所は、二柄(にえ)のみ。二柄とは、刑徳なり”。とある

 刑とは罰を加えること。徳とは賞を与えることで、要するに賢明なトップは、賞罰の権利を公平確実に行うことによって部下を統率するということであって、力による統率を否定しているようである。

たとえ力によって従わせたとしても、力が不足のため従うだけで心から従っているわけではない。

中国の毛沢東も
“人を服させるには説得するよりほかなく、威圧的に屈服させてはならない。威圧すれば、結局は圧すれど服さずということになるのが常である。力づくで人を服させようとしてもだめである。”
と述べている。

よく力に依って威厳を示そうという向きもあるようだが、部下から軽蔑されているようである。私は現職時分は、組織内で思ったこともなければ、叱ったこともなかったが、快く従い尽くしてくれた。思うに賞罰規定を忠実に守ったからだろう。

中国昔、斉王に仕えた管中は次のように述べている。
昔から明君は、命令、刑罰、恩賞の三つの手段で国を治め、常に六つの敵を警戒した。

六つの敵とは、親族、高官、女色、追従、道楽である。相手が親族、高官であれば命令に背いても咎めない。相手が金持ちや寵姫であれば禁令を犯しても処罰しない。相手が追従者や道楽仲間であれば功績がなくとも恩賞を与える

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