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健康

第2号 「生活”習慣”病は、生活”無意識”病」

おのころ心平の ──社長のための「か・ら・だマネジメント」

 みなさん、生活習慣病と聞いて、思い浮かべる病気はなんでしょうか。

 高血圧、糖尿病、痛風、脳卒中、狭心症…?さまざまな病名をつけられつつも、「あなたのライフスタイル(生活習慣)によって起こる病気ですよ」とひとくくりにされる病。

 生活習慣の悪しき代表といえば、喫煙と飲酒です。その他にも食習慣、運動習慣、休息のとりかたなどがあります。厚生労働省が推進する『健康日本21』という国民健康づくり運動では、以下の9項目が掲げられています。

 1.栄養・食生活の是正

 2.身体活動・運動の促進

 3.休養・こころの健康(ストレス対策・睡眠対策)

 4.たばこ(禁煙防止・受動喫煙の排除)

 5.アルコール対策

 6.歯の健康

 7.糖尿病対策

 8.循環器病対策

 9.がん対策

 このうち1~5は、もう耳にタコが出来ているくらいに、あちこちで聞く健康習慣ですね。

 でもこれ、もう40年以上も昔から提唱され続けてきたことなんです。1970年代にアメリカで大規模に調査されたフラミンガム・スタディで、カリフォルニア大学のブレスロ-教授が提唱した7つの健康習慣が裏付けされました。その7つとは、

 ●適切な睡眠時間
 ●禁煙をしない
 ●適正体重を維持する
 ●過度の飲酒をしない
 ●定期的に運動する
 ●朝食を毎日食べる
 ●間食をしない
 なんですが、なんだか今とほとんど変わりません。

 40年以上も言い古された健康習慣が示すのは、これらの項目とは、「わかっちゃいるけど、できない」ことの代表選手ということです。

 なぜ、脂っこいものばかり食べてしまうか。

 なぜ、タバコをすってしまうか。

 なぜ、お酒を飲みすぎてしまうか。

 そこにはやはり、それなりの理由があるはずなのです。

 その理由とは、いったい何なんでしょうか?

 私たちが何気なく行う生活習慣は、けっこうな範囲で「無意識」に支配されています。たとえば、下の「にっこりマーク」を、ちょっと離れたところから指差して見てください。

 どちらの指を使っても結構です。両目を開けたまま、にっこりマークにしっかり焦点を合わせます。

ono2-1.jpg そのまま、右目をつむってみましょう。焦点を合わせたはずの指先が、大きくずれませんか? 次に、左目をつむってみましょう(つまり右目で見るわけですね)。右目で見た場合と左目で見た場合とどっちの方が、指先がにっこりマークからずれますか?

 左目で見た方がずれる、という方は「右目利き」

 右目で見た方がずれる、という方は「左目利き」

 です。視覚情報の脳への伝わり方というのは複雑ですから単純には言えないのですが、「右目利き」の方はおおむね「左脳的な」ものの見方をしています。逆に、「左目利き」は「右脳的な」見方ですね。

 左脳は、論理脳と言われます。つまり、右目利きの人は何かを注視する時、常にその対象を理由づけしようとしています。

 右脳は、直観脳です。だから、左目利きの人は、「まず全体をとらえる」というものの見方が優先されています。

 目ひとつとってもそれは常にカラダに影響を与えているんですが、いちいちこれは右目で見ようとか、左目で見ようとか考えませんから、これってまさに、無意識のなせる業(わざ)なんですよね。

 そうした観点で私たちの生活をとらえると、カラダの動かし方、歩き方、寝方、呼吸の仕方、もちろん食べ方や、何を食べたいか、食の嗜好もタバコを吸うのも、その欲求はほとんどが無意識からやってくるということになります。

 そして、無意識になされる行為というのは、いま利き目の実験をやったように、「改めて意識にのぼらせ(自覚し)てやら」ない限り、まったく気づきません。だから、その是正もむずかしいんです。

 私のところへ、40年来、毎日40本タバコを吸っておられた、ある経営者の方がいらっしゃいました。肺に病変所見が見られたのを機に来られたのですが、お医者さんに禁煙をうながされても、どうにも実行することができない。

 そこで、なぜタバコを吸わずにいられないかを、私といっしょに考えました。

 私は、呼吸とは「自己表現」だと考えています。吸う息は、大気が含むさまざまな情報を肺に取り入れ、吐く息は、カラダの隅々が発した情報を大気に還元します。つまり、吐く息は、無意識のうちに自己表現になっているのです。

 タバコは、プハーと吐き出す行為への欲求ですから、本当は自己表現をしたいのです。でも、その自己表現を、文字通り「煙に巻く」。

 何をカモフラージュしないといけないのか、

 どんな気持ちを無意識のうちに呼吸に秘めてしまったのか、

 そのクライアントさんとそうしたお話をしていきました。すると、その方の遠い過去のある悲しい体験が浮上してきたのです。それを「自覚」された時、そのクライアントさんはおっしゃいました。

 「そんな気持ちがまだ自分にあったなんて…。それがタバコを吸う原因になっているのなら、もうやめてもいいかも知れないな」

 詳細は割愛しますが、その事実は深くその方の琴線にふれたようで、じっさい、この方は、その自覚をきっかけにタバコから解放されて、かれこれ2年になりました。もちろん肺の病変もずいぶん改善されています。

 生活習慣病とは、それをせずにはおれない欲求行為が、形を変えて表れた結果だということができます。

 あなたのその何気ない行為の中に「無意識の欲求」が、絶えずサインを出しているということです。だから、お酒はダメ、タバコはダメ、と頭ごなしに言うよりも、なぜそうした習慣を手放せないのか、背景となる心理を探るほうが、はるかに効果的なのです。

 次回から各論で、生活習慣病の背景にある無意識の欲求について話を進めたいと思います。

 高血圧、糖尿病…、その背景にはどんな潜在欲求が隠れているのか?ぜひお楽しみに!

 ※おのころ心平氏に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。
  Q&A形式で、このコラムにて回答させていただきます。なお、重篤な疾患など
  コラムで取り上げにくい内容は、個別での回答とさせていただきますので、ご了承ください。
  質問あて先メールアドレス(担当:高橋)/etsuko@jmca.net

 

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