menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第80回 『顔を見る、顔を立てる』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

 指示や命令を受けたあとは、できるだけ自分でコトを運ばなければ、「上司からダメなヤツだと思われてしまう」と、黙々と仕事を進めていないだろうか。「求められているのは結果だ」と、結果が出るまで報告しない部下も少なくない。

 仕事は、マメに報告すべきである。報告しすぎて怒る上司などまずいないし、報告をすれば、その都度、適切なアドバイスや指示を得られる。
 とくに、トラブル発生の場合は要注意だ。

 上司をわずらわせず、自力で処理しようと頑張ってしまったことはないだろうか。これが一番まずい。
 報告が遅れたために、傷口が大きくなってしまうケースは決して少ないわけではない。

 幸いトラブルを上手く解決したとしよう。だが、うまくいった結果だけを報告された上司は、自分の存在を無視された感じを味わう。内心、複雑な想いをもってしまう。
 部下にしてみれば、ほめてもらえると思っていたのに、「もっと早く相談してくれれば、こういう解決の仕方があった」などと、想定外の不機嫌なリアクションをされたりするのは、こういう場合だ。
 ひどい場合には、「トラブルを隠した」と言い出し、マイナス評価を推しつけられることさえある。

 少なくとも、直属の上司とは一日一回、何分でもいいから、顔と顔を突き合わせた(face to face)のコンタクトをとるように努めよう。face to faceのコミュニケーションは、相手との心理的距離を縮めるという予想以上の効果をもたらす。
 年中、方谷や相談にくる部下と、声を掛けなければデスクに近づこうとしない部下。たとえ後者の方が優秀だとしても、何かの折に頭に最初に思い浮かぶには、コミュニケーションを密にとっている部下の方になってしまう。

 ある機械メーカーのB課長も、まさに、このような体験をしたと云う。
部下のCさんは、毎日報告にやってくる。それだけ迷いもあれば問題も抱えている。最初のうちは、報告なのか愚痴なのか区別もつかない話し方で、聞いているだけでイラついた。そこで、提案をした。
 「報告にくる前に、一応、問題点をまとめてメモにしてみろ」と。

 このひと言で、C報告は、すっきり筋道がついてきた。メモにまとめる過程で、報告すべきポイントが見えてきたのだ。そうなっても、Cさんはあくまで(face to face)コミュニケーションを欠かさない。 B課長も、その都度、ワンポイントアドバイスを与えるようになる。
 気がつくと、Cさんは、腹心として欠かせない人間になっていた。

第79回 『わかるはず』前のページ

第81回 『同じ会社で、違う道を拓く』次のページ

関連セミナー・商品

  1. 社長が知るべき「人間学と経営」セミナー収録

    音声・映像

    社長が知るべき「人間学と経営」セミナー収録

  2. 会社と社長個人の5大リスク対策セミナー収録

    音声・映像

    会社と社長個人の5大リスク対策セミナー収録

  3. ジャパネットたかた創業者「高田 明の経営法」セミナー収録

    音声・映像

    ジャパネットたかた創業者「高田 明の経営法」セミナー収録

関連記事

  1. 第2回 『人気』と『人望』

  2. 第181回 『「五・七・五」で歌う次世代リーダーの条件』

  3. 第163回 『リーダーとして「場」を仕切る能力』

最新の経営コラム

  1. 第36講 カスタマーハランスメント対策の実務策㉓

  2. 第132回 弛まず進める製造装置の改良で競争力向上はエンドレス(やまみ)

  3. 第181回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方104『相手に好かれる聴き上手のスキル』

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 人間学・古典

    第17講 「言志四録その17」上官たる者、事物において嗜好無かるべし。ただ義を嗜...
  2. 製造業

    第310号 自社の実力は、モノづくりの6段階のレベルで把握せよ(6)
  3. 社長業

    Vol.58 社長の狂気・・・それも公の
  4. 教養

    2012年1月号
  5. 戦略・戦術

    第224号 7,451億円
keyboard_arrow_up