先日、新木場に行ってきました。木場から移転した老舗の材木屋さんが多くある地域なのですが、すでに木材業界では力のない会社・債務の多い会社が徹底して淘汰されており、現在残っている会社はおしなべて財務体力のある会社だと感じます。
それでも、今回の大震災は会社経営によくない影響をおとしはじめているようです。
新規住宅建設がしにくいほど、かたよった資材の不足や新築住宅を建築しても東京電力の新規契約に時間がかかるなどによる需要減など。「このままだと売上はしばらく大幅ダウンかも・・・」という言葉が事態の重大さを物語っていました。
他業種においても観光業界をはじめとして自粛の影響などで、たいへんなところがいくつも見受けられます。
こういう危機のときに生き残る会社はどんな会社か? といえば、まず無借金の会社、固定費があまりかからない会社、利益率の高い会社が、思いうかぶかもしれませんが、現実にはその3つの条件をクリアする会社というのは、なかなかないものです。
現在、規模を拡大し、成功している会社の場合、ある程度の借入金残高はしょうがないと言えると思いますが、じっさいのところ、資産勘定の内容で生き残る会社が決まるように感じます。
バランスシート(貸借対照表)の左側、資産の内容が上に行くほど多い会社は生き残る可能性が高くなります。↓
バランスシート(貸借対照表)は上から流動資産、固定資産、繰延資産という構成になっていますが、流動資産、とりわけ現金・預金の比率が高いこと。売掛金についていえば、その回収までの期間が短く、販売先が複数で多いことなどが生き残る会社のメルクマールになるかと思います。
逆に固定資産の比率が高かったり、繰延資産の試験研究費などの資産としての金額が多ければ、それによって融資はある程度受けられますが、危機の時には逆にその債務に苦しめられるものです。
そんなことを考えて企業経営をしようとしても、思うようにいかないのが普通ですが、このバランスシートを意識する・しないで、「イザ」のとき、生き残るかどうかの別れ道になるように感じます。