先日、長崎のテーマパーク「ハウステンボス」の黒字化のニュースが新聞にでていた。18年連続赤字だったし、会社更生法を申請したときは 債務2000億円を越えていたくらいだし、今でも有利子負債は多額で、債務過多だったからたいしたもんだと感じた。
ところが記事をよく読むと、中小企業にはできないことが書いてある。
「現状有利子負債は約 60億円で、そのうちの約8割を放棄してもらった」というのだ。
これは地域経済に大きな影響を与えるとか、スポンサー付けとかの条件を満たさないとできないことなのだ。
もちろん事業の黒字化の計画や、再生案のとりまとめは、さすがに素晴らしいといわざるをえない。
でも、大手にはこのウルトラCの技があるが、中小にはこれがない。
中小企業でもこんな方法を使えないことはないが、よほどのオリジナリティのある販売力をもったブランドでないとそれは難しい。
こういう話をすると、「民事再生があるじゃないか」 と言われることもあるが、企業版の民事再生は「それでも事業を継続し生き残る」ためにはハードルが高い。
弁護士さんにいわせると、「民事再生で再生できます」いわれるけれど、少しばかり考えたほうがいい。
民事再生後もうまく事業継続できる中小企業は少ないのが現実なのだ。
最終的には、中小企業は各社独自の強みを生かしておのおの違った再生手法で建て直しをするしか方法はない。ドラッカー風に言うと、自分の強みでしか勝てない。
そして、独自の事業建て直しを模索した場合、そのほとんどで民事再生のような法的手続にはいきつかない。
事業建て直しは、自分の事業を根本から見直し、どこをとり、どこを捨てるか?そしてそのためにはどのような手段が可能かを考え抜いて実行していくことなのだ。
それを考え実行することができるのは、ほかならぬ社長以外いないのだ。