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第13話 なぜオバマ大統領は 一般教書演説でサンテック社に言及したか?

中国経済の最新動向

2011年1月25日、オバマ大統領は米議会で一般教書演説を行い、4回も中国の躍進ぶりに言及し、アメリカの危機感をあらわにした。そのうちの一回は中国の技術開発や研究に関する言及である。
 
 オバマ大統領によれば、中国は「技術開発や研究にも力を入れている」。その実例として、「世界最速スーパーコンピューターがあり、世界最大の民間太陽光研究施設がある」ことを挙げた。
 
 オバマ大統領に言及された「世界最大の民間太陽光研究施設」は、まさに中国のサンテック(無錫尚徳太陽能電力有限公司)である。実は、言及への伏線が あった。一般教書演説の3カ月前の2010年10月、中国系アメリカ人であるスティーブン・チュー米エネルギー長官はサンテック社を訪問した。同社の飛躍 的な成長に感動したチュー長官は帰国後、オバマ大統領に報告したという。
 
・サンテック社はいったいどんな会社なのか?なぜオバマ大統領に一般教書演説で言及されたか?今年3月上旬、筆者は無錫を訪れ、太陽光発電分野の先端企業サンテックを訪問し、台頭し始めた中国企業の実力を実感した。
 
・サンテック本社は市中心部から約20キロ離れた無錫市新技術開発区にある。車から降りると、緑色のサンテック社R&Dセンタービルが目に入る。世界でも 著名な建築設計事務所オーストリアGAWI社が設計した太陽光発電R&Dセンタービルディング。投資総額2000万ドル、建築面積6.4万平米。2574 枚太陽光パネルを使って、710kwhを発電できるこの巨大建築物は、中国では初めて「エネルギー消費ゼロ」「バイオ建築」という概念を導入したオフィス ビルである。
 
・同社の広報部担当部長張建敏氏は筆者の訪問を受け入れてくれた。張氏の説明によれば、サンテック社は豪ニューサウスウェールズ大学の中国留学生施正栄博 士が帰国後2001年に設立した太陽光発電の会社である。2005年12月、ニューヨーク証券取引所上場を果たし、2010年に売上27億ドル、純利益 2.6億ドルにのぼった。現在、太陽光発電の市場シェアは、中国では1位、欧州、米国でも1位、日本ではシャープ、京セラ、三洋電機に次ぐ4位を占め、世 界最大規模を誇る。2006年8月日本の太陽光発電大手MSKを買収したのも、まさにこのサンテック社である。
 
・サンテックは創業僅か10年で世界最大規模の民間太陽光発電会社に成長した。その秘訣はサンテックの優れた技術力(太陽光発電の先端技術を持つ)、優秀 な国際人材(世界トップクラスの人材集結)、先見的な市場戦略および無錫市政府の強力な支援にあると思われる。施正栄CEOの言葉でいえば、それは「天の 時(環境問題で再生可能なエネルギーのニーズ急増)、地の利(無錫市政府の支援)、人の和(国際人材チーム)」である。
 
・特にサンテック社はグローバル企業としてのイメージが強い。同社の研究開発部門には、太陽光発電分野の世界トップクラスの国際人材450人が集結してい る。会社経営陣にも、最高財務責任者(CFO)、最高技術責任者 (CTO) 、最高執行責任者 (COO) 、グローバル営業/マーケティング・プレジデントおよび最高戦略責任者 (CSO) などはいずれも外国人または欧米著名企業勤務経験がある中国人が務めている。現在、サンテックは欧州、米国、日本、豪州にも進出しており、グローバルな事 業展開を行っている。
 
・僅か10年で一躍して世界最大規模の太陽光発電企業に成長したサンテック。その太陽光発電事業はオバマ大統領が自ら唱えている「新エネルギー政策」と合致しており、今年の一般教書演説での言及に繋がったのである。
 
・今回の福島原発事故によって、安全で環境に優しく再生可能なエネルギーである太陽光発電は一層脚光を浴びることは間違いない。サンテックのさらなる飛躍も期待されそうである。

 

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