銀座8丁目の博品館トイパーク裏手にある話題の立ち食いフレンチレストラン、「俺のフレンチGINZA」(5月16日オープン)に行って来た。
ここは一流シェフによる高級食材を使ったフランス料理を、通常の1/2~1/3の価格で提供するという、これまでのフレンチレストランの常識を覆す発想の店だ。
それを実現するため、1階を全て立ち席にして「回転率」を上げている。
1階には、1度に通常の椅子席の2倍の人数に相当する40人ほどが入ったので、これだけでも回転率が高くなるが、立ち食いのため長居をする人も少ないし、最初の客は16時から食べ始めるということもあり2~3回転すると思われ、通常1回転のフレンチレストランと比べると、1階は4~6倍になる計算だし、予約ができる椅子席の2階席も、2時間の時間制なので2回転はするので、回転率が確かにいい。
また、出店は全て「居抜き物件」で、内装にはお金をかけない方針も徹底されているが、人件費と食材費にはお金をかけ、銀座店は松涛にある「シェ・松尾」の元総料理長・能勢和秀氏、シェ松尾・青山サロンの元総料理長・布川鉄英氏、ジョエル・ロブションの飯田夢崇氏など一流シェフを迎え、フォアグラ、トリュフ、キャビア、エスカルゴ、ウニなどの高級食材をふんだんに使った美味しい料理を提供している。
私は1時間半並んだお陰で開店直後に入り、能勢シェフのお勧め料理の「ウニとトマトのムースジュレ寄せ」(1,500円)、「活きオマールのロースト」(1,280円)、「牛フィレ肉とフォアグラのロッシーニ ~トリュフソースで~」(1,280円)を2人で分けて食べたが、オマール海老は通常の半身ではなく1尾まるごとだし、ムースジュレも大きな容器で出てくるなどボリュームがあり、3品でお腹が一杯になった。
特にシェ松尾ではアラカルトで1万5,000円で出していたという「牛フィレ肉」はとても柔らかい赤身肉で美味しく、来店客の多くが食べて満足していたし、ワインを飲む方は、酒販店価格+999円という破格の値段のようで、赤い顔をしている人もたくさんいた。
もともと口コミで評判になり、毎日、開店前には行列ができていたようだが、7月末にテレビで紹介されたこともあり、私が行った土曜日は16時の開店前に行列も打ち切られてしまうほどの人が並んだ。
この革新的なビジネスモデルは、昨年9月に銀座にオープンした「俺のイタリアンGINZA」から始まり、現在は「俺のイタリアン」が5店、「俺のフレンチ」が3店の合計8店舗となっているが、経営しているバリュークリエイトは、ブックオフの創業者である坂本孝氏が社長の会社で、書籍に続いて飲食でも新たなビジネスを構築している。
「俺のフレンチ」の事例は、飲食業でもまだまだ新しい発想でビジネスを切り開けるということを実証しており、他の業界でもこういうものがどんどん出てきて欲しいと感じた。
======== DATA =========
●俺のフレンチGINZA
所在地:東京都中央区銀座8-7-9
tel:03-6280-6435
定休日:日曜日
営業時間:月~土 16:00~23:30
●俺のフレンチ
銀座、神楽坂、恵比寿
●俺のイタリアン
銀座、神楽坂、恵比寿、神谷町、八重洲