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マネジメント

第151回 『他力で運を招く』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

 
松下電器(現・パナソニック)創業者の松下幸之助氏に、
次のようなエピソードがあった。
 
子会社の社長の人選をしたときの話。
 
人事部長が、4人の候補者の書類をもち、決裁を求めてきた。
氏は、経歴書にざっと目を通すと、迷わず、
 「この男がエエ」
と、一人を選び出した。
 
出身大学など、経歴は決してピカイチではない。
人事部長は、適任者は他にもっといるだろうと思った。
 
そこで理由を訊いてみると、
 「この経歴でここまでのぼってきたんや。
  この男は運が強いやないか」
と氏は答え、
 「会社もこの人の運をもらえばエエ・・」
と、続けた。
 
 
ある住宅機器メーカーでは入社試験にあたり、最終段階で社長面接を行う。
すると、社長は必ず、最後にこう尋ねるそうだ。
 「あなたは、自分を運のいい方だと思っていますか? それとも・・・」
 
応募者がだいたい同じレベルなら、「運がいい」と答えた方を採るそうだ。
松下氏と同じように、『運のいい人を集めた方が、会社の運もよくなる』
と思っているのだ。
 
 
人間が成功に導かれるためには、いろいろな条件が必要だ。
だが、何といっても運が良くなければ、成功は難しい。
私も、そう考える一人である。
 
『運の良し悪しなんて生まれつき』と反論される方もいるだろう。
たしかに、I was born under a licky star.
(私は、幸運の星のもとに生まれついた)という言葉もある。
 
だが、幸運の星であるための条件など、あるようでない。
 
自分で幸運だと思えば、幸運になる。
そして、幸運だと思い続けると、本当に幸運の女神が近づいてくる…。
世の中は、こうした巡り合わせになっているのだ。
 
 
運がいい人とは、運が良いと思っている人だ。
そういう人とつき合うと、自分もそういう考え方になってくる。
 
それ以上に、運がいい人は運気を分かち与えてくれる。
 
また、どんな人にも、一生に何度かはラッキーチャンスが廻ってくる。
『いつまでもあると思うな、親とカネ』という言葉があるが、
この言葉には続きがある。
『無いと思うな、運と災難』 だ。
 
但し、運をつかむには、独特の反射神経が要求される。
 
日露戦争は、小犬が馬を倒したような戦争だといわれている。
勝敗の分岐点となったのは日本海海戦だ。
無敵といわれたバルチック艦隊を、日本艦隊が駆逐したのだ。
 
後に、日本艦隊の指揮官だった佐藤鉄太郎に、友人が勝利の理由を訊いた。
答は、
 「六分どおり運でしょう」
 「で、残りの四分は?」
と続けて訊く友人に佐藤は答えた。
 「それも運です。」
 
最初の六分は本当の運。残りの四分は人の力で招いた運だった、というわけだ。
 
人生の成功をつかむには、人の力で運を招き寄せられるかどうかにかかっている。
そのカギのひとつが、運気をくれる人と付きあうことなのだ。
 
 
 

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