インターネット検索ではGoogleが90%のシェアを持っており、iPhoneの「Safari 」やPCの「Firefox」などのブラウザで検索すると自動的にGoogleの検索結果が表示されるという「デフォルト検索契約」が結ばれており、米司法省は、 Google に対する独占禁止法訴訟でGoogle を解体すべきかについても議論が行われている。
しかし、最近ではChatGPT などのAIチャットを検索に利用する人も増え始めており、アメリカ人の8%はAI検索を使っているとされている。
AIチャットは利用者の質問に対してより会話的な回答を提供でき、調べたいことを一発で表示してくれるため、生成AIが検索エンジン市場の勢力図を再構築する可能性もある。
◾️検索に特化したAI
最近ではAIチャットだけでなく「検索に特化したAI」も登場している。
当初のChatGPTなどでは、大規模言語モデル(LLM)で学習した内容を情報源に回答していたため、最新の情報を検索できなかったり、知ったかぶりの回答(「幻覚」=ハルシネーション)をしたりということがあったが、その後改良され、現在では生成AIもリアルタイムにWebを検索して回答するようになっている。
シリコンバレー発の生成AIベンチャー企業が、2022年に公開した検索に特化したAIの「Perplexity(パープレキシティ)」は、Webの情報を用いて対話形式で検索結果を生成し、回答文中に根拠となる情報源も引用する。
AIなので、PDFなどのデータをアップロードすればデータの範囲内での検索もでき、読み込ませた画像の解析も可能だ。
シンガポールのMainFunc(メインファンク)が2024年に公開した「Genspark」は、従来の検索エンジンが提供するリンク集ではなく、検索結果を解説ブログのような「Sparkpages」と呼ばれるウェブページを自動生成するもので、複数の信用ある情報源を調べてまとめてくれるので便利だ。
日本のベンチャー企業Sparticleが開発した「Felo」は、言語の壁を超えて世界中の情報を検索することが可能で、検索テーマや文脈を指定して結果を絞り込むことができ、検索結果を活用してスライドを作成してくれる機能もあるため、公開1ヵ月で世界中で15万人以上が利用している。
生成AIの進化はチャット(会話)から検索してレポート作成という方向進んでおり、オフィスの生産性向上にますます利用できるものとなっている。
======== DATA =========
●Perplexity
https://www.perplexity.ai
●Genspark
https://www.genspark.ai
●Felo
https://felo.ai/search