「社長のめしの種4.0(第89回)AI要約」でご紹介した、東京大学・松尾豊研究室発のAIベンチャーELYZA(イライザ)社が3月28日に発表した大規模言語AI「ELYZA Pencil」を試してみた。
「ELYZA Pencil」は独自のAIによって高精度な文章執筆が可能で、キーワードから約6秒で日本語のタイトルや文章を自動生成するもので、デモサイトも公開されている。
ELYZA社はどんな文章でもAIが3行に要約する「ELYZA DIGEST(イライザダイジェスト)」を公開しているが、それを文章の執筆分野にも広げた形だ。
今回デモサイトで試せるのはニュース記事、ビジネス用メール、職務経歴書の3種類で、ニュース記事にキーワードとして、「AI」「文書作成」「機械学習」「記事」「ELYZA」「今後の展開」を入れて試したところ、
「AIを活用した記事作成支援システム『ELYZA』が公開された。記事は、機械学習によって生成された文章のパターンから作成される。今後は、記事作成以外の分野への展開も検討している。」
という文章が作られた。
「ロシアのウクライナ侵攻」「難民」「ポーランド」というキーワードを入れてみたところ、「不適切な内容が含まれている可能性があるため、非表示になっています」となり、表示されなかった。
今回公開されたデモサイトは、日本での大規模言語AIへの理解や実用化をすすめるためなので、このような社会的に影響のある問題に関しては、表示されないようになっているようだ。
利用規約にも、「暴力的・残虐表現、わいせつ表現、差別的表現、第三者の著作物その他の知的財産権の対象となる情報、その他当社が不適切と判断する情報を入力等する行為」とされている。
一方、「大谷翔平」「大リーグ」「二刀流」「今季の期待」というキーワードでは、
「今季の大谷の二刀流について、米メディアが特集を組んだ。二刀流について『今季は大谷にとって大きなチャレンジになるだろう』と報じた。二刀流で成功すれば、大リーグの歴史に新たな1ページを刻むことになると述べた。」
という記事を書いてくれた。
デモサイトを含め今後も「ELYZA Pencil」の文章執筆AIを改善して、将来的にはビジネス業務の10%以上をAIへ代替できる可能性があると想定している。
AIの進歩により事務的な文章を書く時間が節約でき、本当に考える必要のあることに集中できるようになることを期待しているが、「ELYZA Pencil」のデモで、日本のAI技術の進歩を感じていただきたい。
======== DATA =========
●ELYZA Pencil
https://www.pencil.elyza.ai
●社長のめしの種4.0(第89回)AI要約
https://plus.jmca.jp/takashima4/takashima4-89.html