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- 第42回 米年末商戦
アメリカの年末商戦は感謝祭の祝日(今年の場合11月28日)から始まるとされ、翌日の金曜日(11月29日)はどの店も黒字になるという意味で「ブラックフライデー」と名付けられている。
買い物はその後の週末も続くが、そこで買い忘れていたものを月曜日(12月2日)にネットで買うことから「サイバーマンデー」とされていたが、最近はこの日に限らず、店には行かずにネットで買う人が増えており、ネットでの売上が大きくなっている。
感謝祭日からサイバーマンデーまでの5日間に、全米で2億人が買い物をし、過去最多となったと全米小売業協会(NPD)が発表した。
調査会社プロスパー・インサイツ&アナリティクスの調査では、5日間の買い物客数はリアル店舗とオンラインで1億8,960万人と去年の1億6,580万人から14%増加、支出額は平均で361.90ドルで前年同期16%増、オンラインと実店舗ではオンラインが1億2,400万人、実店舗が1億4,220万人なっており、ブラックフライデーの実店舗の来客数は6.2%減少している。
アドビ・アナリティクスのデータでは、感謝祭日(11月28日)のオンライン売上は42億ドル(4,600億円、前年同期14.5%増)、ブラックフライデーのオンライン売上は74億ドル(8,000億円、19.4%増)と共に、過去最高を記録した。
最近の傾向ではスマートフォン経由の売上が伸びており、感謝祭日は前年の14.5%増、ブラックフライデーは21%増の29億ドルとオンライン売上全体の39%になった。
サイバーマンデーの売上も94億ドル(1兆円)となっており、前年の79億ドル(8,500億円)から20%の増で、1/3はスマートフォン経由の買い物だった。
セールスフォースの分析でも、ブラックフライデーのオンライン売上高は72億ドル(7,800億円)で、スマートフォンなどから来た人はオンライン全体の74%、オンライン注文の60%となっている。
NPDの調査では、スマートフォンを利用して買い物するとした人は25%と2年前の19%から6%増加している。
アメリカの年末セールは「ブラックフライデー」「サイバーマンデー」などというネーミングで消費者の購買意欲を刺激してきたが、最近はネット販売比率が年々増加し、中でもスマートフォン経由が増えて実店舗への来客数が減るという傾向が続いている。
日本では5%前後の普及率だが、アメリカでは成人の1/4が持っているスマートスピーカー経由の購入も今後は増えそうで、ネット販売状況はまだまだ変化してゆきそうだ。