こんにちは、いかがお過ごしですか。
今年もカレンダーの残りがあと1枚になりました。今年のうちに「あれも、これも」とやらなければいけないことを思い描き、気忙しくお過ごしの方も大勢いると思います。
年末の恒例業務の一つに年賀状があげられます。年賀状は本来、新年の訪れを喜び祝うために送るものとされています。少し心の距離が遠のいている相手に送れば、お互いを思い出し、関係を近づけるきっかけになります。
今号では年賀状にまつわる賀詞の基本マナーと、コロナ禍に添えたいひと言フレーズについて考えてみましょう。
大人の教養<賀詞>について
年賀状の冒頭で目にする「謹賀新年」「賀春」「あけましておめでとうございます」などの言葉を賀詞(がし)と言います。賀詞は大きく分けて4文字・2文字・1文字・1文の4種類があります。
長年にわたる大切な取引先など少し丁寧な印象を与えたい相手には4文字の賀詞をおすすめします。本来、賀詞は4文字が基本で、2文字・1文字は略儀的なものと考えられているからです。
しかしながら、自粛ムードが漂う本年については「新春」「迎春」「一陽来復」のような、心機一転を連想させる賀詞もよさそうです。
まずはそれぞれの言葉の意味を確認しておきましょう。
<4文字>
〇謹賀新年(きんがしんねん)/謹んで新年をお祝い申し上げます
〇恭賀新年(きょうがしんねん)/うやうやしく新年をお祝い申し上げます
〇一陽来復(いちようらいふく)/冬が終わり、春(新年)が来ること。悪いことが続いた後に幸運が訪れること
<2文字>
〇賀正(がしょう)/正月を祝う
〇賀春(がしゅん)/新しい年の訪れを祝う
〇頌春(しょうしゅん)/新年をたたえる(「頌」の字には褒め称える意味があります)
〇慶春(けいしゅん)/新しい年をよろこぶ
〇初春(しょしゅん、はつはる)/新しい年、新しい年のはじめ
〇新春(しんしゅん)/新しい年
〇迎春(げいしゅん)/新しい年を迎える
<1文字>
〇寿(ことぶき)/めでたい
〇賀(が)/祝い
〇春(はる)/新年、年のはじめ
〇慶(けい)/喜び
コロナ禍の年賀状に添えたいひと言
昨年に引き続き、今年の年末年始もコロナ禍で静かに過ごす時間が増えそうです。
このような社会情勢ですから、煌びやかな派手派手しい年賀状はどことなく気分に合いません。かといって事務的な一枚ではせっかく送る意味が半減してしまいそうです。
添える言葉はお互いの健康を願う静謐なひと言や、前向きさがありながらも落ち着いた印象を与えるひと言がふさわしいと感じます。
以下、参考にしていただけますと幸いです。
<健康を願うフレーズ例>
・どうぞ、お元気で
・どうぞ、お体を大切に(お気をつけて)
・変わらずご自愛ください(ご自愛のほど、お願い申し上げます)
・皆様のご健勝を心よりお祈りいたします
・ご健勝とご発展を心より願っております
<若い人向け、目上の人に宛てて送りたいフレーズ例>
・本年もご指導のほど、(何卒)よろしくお願い申し上げます
・お力になれるよう(お役に立てるよう/頼りにしていただけるよう)精進してまいります
・身を引き締めて、日々の業務に励んでまいります
・いつもたくさんの気づきをありがとうございます
・〇〇さんのように、まわりから慕われる存在になりたいです
<年長者向け、若い人に宛てて送りたいフレーズ例>
・今年も頼りにしています/今年も期待しています
・今年も支えてください
・〇〇さんの存在が見えない力になっています
・一つずつ、高みを目指して励んでいきましょう
・いつもがんばってくれて(励んでくれて)、ありがとう
<前向きな印象を与えるフレーズ例>
・笑顔を忘れずに楽しく過ごしましょう
・しっかりと地に足つけて歩んでいきたいと思っています
・大変な中にも充実感のある(盛りだくさんの)一年にしていきましょう
・これまで以上に成長を感じる一年を過ごしましょう
・幸せを感じる(心温まる/おだやかに過ごせる)瞬間が多くあるよう、願っています