ネガティブなことから目を背けずしっかりしたひと言を
新型コロナウィルスや自然災害により、ストレスフルな日々が続いています。
わたしは、ストレスがたまると、歯がシクシクと痛み出します。家族や友人の中には、気持ちは元気なものの、胃腸炎になったり、急に片腕が上がらなくなったり、体に不調が出始めている人もいます。
この数か月のショックはあまりに大きく、心身にダメージを受けたとしても致し方ないですね。
そんな中、先日インターネットで化粧品を購入したときのことです。
自動返信メールの文末に書かれていた次の3行に目が留まりました。
何かと不便の多い今日ですが、この状況が一日も早く解消され、
平穏な日々が戻りますように。
今後とも●●ブランド名●●をご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。
とりわけ1文目の、コロナ禍であるという現状をふまえて「平穏な日々が戻りますように」と願いを込めた書き方をしている点が、素晴らしいと思いました。
人は、つらいことやネガティブなことから目を背けがちです。
書く側の気持ちになって考えてみると、踏み込んで書くのは勇気がいるものです。あえてリスクを冒さず、手間を省くほうがラクですし、実際のところ、この場合も、2文目の「今後ともご愛顧の程よろしくお願い申し上げます」だけでビジネスメールとして機能しているといえます。
それでもあえて、節度を保ちつつ願いを込めた書き方をしている点で、少しオーバーかもしれませんが、わたしはこのブランドの志のようなものや、この担当者の人間性を感じました。
そして、それはAIには決して真似できないことだとも思いました。
コロナ禍で文例を見直そう
同じように先日、雑誌からの取材依頼で、来年の年賀状文例を書かせていただきました。
年賀状というと、例年、次のように、幸せを願う文例を多く掲載していただきます。
●一般的な年賀状文例
・旧年中の出会い/ご縁に感謝します
・幸多き/実り多き/晴れやかな/心豊かな一年を願って
・ご健勝/ご発展/ご盛隆をお祈りします
・またお会いしましょう
しかし、来年については上記と感覚が少し合わないため、すべて書き改めました。
先のことはわからないながらも、これだけ広範囲に影響が及んでいる今、幸せを願うより先に、互いの健康や家族の平穏な日常、平和を願うほうが、ふさわしいと感じるからです。
いかがでしょうか。この原稿は、とりわけブライダル業界、お祝い、ギフト業界など「慶事」にかかる業種のみなさんの心中を想像しながら、書いています。
何かしらヒントにしていただけるようでしたら、幸いです。