こんにちは、庭先のアジサイに目が留まる頃となりました。いかがお過ごしですか。
これから梅雨になると、着る物や足元が気になりますね。ジメっとする雨の日こそ、心は晴れやかにテンションを上げていきたいものです。
さて、最後のコラムとなる今号では、AI時代にいかにして自分らしく生きていくか、大変恐縮なのですが、僭越ながら、わたしになりに考えていることを書かせていただきたく思います。
自分を知るための質問
これから1年後、3年後、5年後……。わたしたちの仕事にAIはどんな影響を与えるのでしょうか。予測されているものも、すでに大きな変化が起きている分野もあるかと思いますが、変わらないものもあります。
それは、わたしたちが機械ではなく生身の人間であること。つまり、経営に携わる皆さんが「ご自身がどんな人であるか」「どんな思いで起業したのか/経営していらっしゃるのか」「仕事を通して、社員やお客様にどのような価値を提供していきたいとお考えか」などの質問に答えることで自分を知り、意志をもって意思決定を積み重ねていくことだと思っています。
中には「特別なことは何もない」「自分を見つめるのは苦手だ」などとおっしゃる方もいるかもしれません。むろん、自分という人間を完全に理解することなど誰にもできませんが、それでも自分を知ることで、決断のスピードが速まったり、迷いが減ったり、ストレスが軽くなったり、それらの結果としてビジネスや人付き合いが好転することは多々あるはずです。
わたしはかつて企業経営者の仕事に込める思いをインタビューして冊子にまとめるライター業をしていたことがあり、ここにそのときから使用している質問項目をいくつか書き出してみます。
■幼い頃はどんなお子さんでしたか
■幼い頃の経験や習慣のなかで、いまに活きていると感じることはありますか
■心に残っているご家族との思い出はありますか
■前職はどんな仕事でしたか
■いつ現職に就いたのですか。どのような経緯・きっかけがありましたか
■現職に就いてから、何か一つ心に残る出来事をあげるとすると、どんなことがありますか
■その出来事をきっかけに、ご自身はそれ以前と比べて何か変わりましたか。変わったとすれば、どのような点が変わりましたか
■お客様から、どのようなところを褒めてもらうと嬉しいですか
■どんなときに、やりがいを感じますか
■ご自身の仕事ぶりを、ご家族や社員さんはどのようにおっしゃっていますか
■ご自身の好きなところと嫌いなところ、両方を教えてください
■業界の嫌なところはありますか。それはどんなところですか
■その嫌なところはお客様にどんな不利益を与えますか
■その嫌なところに対して、どんなことを期待しますか
■今の目標や達成したいことはどんなことですか
■そのためにまず何をしようとお考えですか
■その目標を達成するために必要な協力者はどなたですか
■協力者とはどのような関係を築いていきたいとお考えですか
可能であれば、これらの質問は紙に書き出してみていただけないでしょうか。
パソコンでOKです。うまくまとめる必要はありません。第三者に見せるためのものではなく、頭の中をすっきりさせるためのものですから、箇条書きでも、単語だけでも、短くてもかまいません。ポイントは、格好つけずに、できるだけリアルに書くこと。すべての質問に答え終える頃にはきっと晴れ晴れとした表情で、誇らしい気分を味わっていることでしょう。そうした時間の積み重ねこそ、自分らしさというものを最大限に引き出すものであると考えています。
ごあいさつ
さて、今回、このコラムは100回を迎えるのを機に最終回となりました。これまで読んでくださった皆様、心から光栄に思います。本当に、ありがとうございます。
スタートしたのは2017年2月ですから、日本経営合理化協会の皆さまには8年もの長期にわたり機会をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
皆さまの不安や悩みが少しでも減り、生きる歓びや幸せを感じる瞬間が今より多くありますように。心より願います。ありがとうございました。