家族別家計簿を作り、赤字を解消するための家計簿改善プランを各自に描いてもらいました。
しかし、数カ月が経ち、その改善プランも絵に描いた餅になってきました。
作文が上手で素晴らしいプランを作っても、本当に実行に移せるのかというと、
作文のうまさとはまったく関係がありません。
会社でも部門別損益を出して目標数字を立てても、それが十分に活かされていないというケースが
多く見受けられます。
そこで、今回は、家計簿改善プランを実効性の高いものにするための方法を説明したいと思います。
下の図を見て下さい。
長男の圭さんは、10月の赤字の家計簿を見て、「これはやばい」と思いました。
それに追い打ちをかけるように、母親の文さんに、
「家計が苦しいので、来月からお小遣いを2万円減らすわよ」と言われました。
このままだと赤字が膨らむばかり、何とかしなければと家計簿改善プランを作りました。
しかし、文さんは、
「りっぱな改善プランだけど、本当に実行できるのかしら」と、半信半疑です。
そこで、家族みんなの前で宣言させることにしました。
まず、前月の結果発表です。
「10月の家計簿は、4万円の赤字でした。お小遣い3万円に対して、お金をたくさん使いすぎて
しまいましたので、支出をすべてチェックします」
圭さんは、支出の面から反省を述べました。その反省をもとに、11月の予定を立てます。
11月は、唯一の収入であったお小遣いが2万円減って、1万円になってしまいます。
3万円もらっていても赤字なのに、このままでは到底やっていけません。
そこで、アルバイトをすることにしました。
圭さんは、
「11月の収入は、アルバイト代4万円とお小遣い1万円で合計5万円になる予定です。
支出については、すべての項目を徹底的に見直します。
具体的には、友達と居酒屋に行く回数を減らします。
たまには、日本一安いと豪語する280円均一の居酒屋さんに行くことにします。
散髪も4000円から1500円のお店に変えることにします。衣服はユニクロで買うことにします。
10月は携帯電話の請求額も多かったので、通話プランを見直したり、
ムダな通話やメールを控えることにします」
と行動目標を述べました。
さらに、
「こうした改善プランにより、25,500円支出を減らし、5,500円の黒字を出します」
と宣言しました。
会社経営でも、部門別の損益を出すだけではなく、
部門のリーダーに、来月どうするのかという改善プランを作ってもらいます。
その改善プランを実行に移してもらうため、経営会議の場に舞台を作って、みんなの前で発表してもらいます。
この発表が大変重要な意味を持ち、
「みんなの前で自分が宣言したプランだから、何としてでも達成しなければ」という意識が芽生え、
改善プランの実効性が増すのです。
ぜひともこの家計簿経営術を会社でも活用していただきたいと思います。