コロナ渦の日曜日の夜に日本料理店の勉強会はできないか、と依頼を受けました。
しかし、金沢の日本料理店は定休日か、予約の困難な店が多く、私の知る飲食店も予約で満席とのことです。それはそれで凄いのですが、困りました。
そこで、昔、塾生だった『広坂ハイボール』の店主の宮川元氣さんに久々に連絡をしてみました。
そして、おすすめされたのが、今宵のお店『厨 しんさく』です。
早速予約を入れまして、よくわからないのでお任せでお願いしました。
あっ、コースのお値段をお聞きするのを忘れました。
雪の夜、店内には一番のりで到着です。
カウンターに座りますと、とても素敵な炉が目に入ります。
店主に尋ねると、戸室石で作った炉だそうです。
戸室石は、金沢市の郊外に連なる、戸室山周辺から産出されます。古くは金沢城の 石垣として使われ、庭石としても愛用されてきました。
こちらが、メニューです。
気軽にアラカルトでという感じのメニューで、こういう店はほんま少なくなりました。
本日はお任せなので楽しみです。
先付は白子豆腐です。
白子豆腐には手取川あらばしりをあわせます。
続いてのお料理は鮃の龍皮巻きです。
京都のおせちに欠かせない「龍飛巻き」は、塩でしめたひらめを龍飛昆布で巻き上げます(故西健一郎先生より)
煮物椀は、蛤しんじょう、海老芋の椀で、鮑、紅人参などとても鮮やかなお料理です。
これはおいしいです。
続いてはお造りです。
なめらと能登の鰤とからみ大根、マハタが盛り込まれています。
続いては燗酒にします。
お酒は店主のおすすめで「池月 純米酒」です。
続いて、蓮根饅頭 蟹あんかけです。
焼き物は釣り鰆の遊庵焼きです。
丸芋 唐墨がそえられています。
とても綺麗な焼き物です。
もちろん、戸室石の炉で焼いています。
揚げ物は、紅ズワイ湯葉、五郎島金時、雪平茸?の天ぷらです。
早いもので、お食事です。
お食事は、丸岡在来種のおろしそばとズワイガニの蒸し寿司です。
丸岡在来種のおろしそばがおいしいですね。
そば湯が添えられます。
最後にぜんざいです。
参考 https://discoverjapan-web.com/article/1082
とても手間をかけた料理屋らしい料理で、宮川さんにはたいへん素晴らしい店を紹介いただきました。
さりげなく、器もすばらいかったですね。
しかも、これで一人9,000円とはかなりリーズナブルです。
一緒に勉強した鮨の名人も安すぎると感嘆していました。
コロナ以前はグローバル化の時代で誰もがわかることができる高級食材を駆使した「まったか系」のお料理の劇場型経営が全盛でした。
細部に美ある「脱まいったか系」の審美眼を問う料理で、コロナ後にふさわしすばらしい勉強ができる店に思います。また、会員の勉強会に使わせていただきたいと思います。
厨 しんさく
〒920-0988 石川県金沢市木倉町2−7
電話 076-260-4026