(日本ウエストhttp://www.weston.co.jp/)
10年以上前から面識はあり、事業内容を聞いておりましたのでイメージはかなり掴んでいると思っていたのですが、聞くと見るとでは大違い。ましてや実践となると想像をはるかに超えた、すばらしい経営を長年にわたり展開しておられました。
(模様は以下ご覧ください。)
本社工場を訪問後、2つの福祉工場を訪問。実はここからがメインである。
臼井会長は、社会福祉法人を運営する理事長でもある。ほとんど日本ウエストンさんには顔を出さず、「清穂会」(せいすいかい)(http://www.seisuikai.or.jp/) の経営に生涯を賭けておられる。
精神障害を持つ人の自立と社会復帰を目指す福祉工場だが、全国の同施設は国からの補助が無ければ維持することさえ難しいとされる。しかし清穂会の経営はスゴイの一言に尽きる。
通常では月給は5000円~1万円も払えれば大成功といわれているそうだが、同会では4~5万円。それも職員がほとんど介入することなく自主運営を貫いているとの事。
作業場も廊下もゴミひとつ落ちておらず、休憩室のイスも糸を張ったようにビシッと並んでいた。タイムカードも全部自分たちで管理し、仕事も班長が段取りする。
工場の製品の納め先の中には、世界品質が求められる航空機関連のものもあり、納品先の関係者が監査にこられても一様に感動して帰られると。
また、その一角に「感動工房」がある。
先の本社工場で出た、マイコースターやおしぼり、スリッパ、箸、ビール、缶コーヒー、ゴルフのティーなど、商品は工夫とアイデア次第で無限大である。
臼井理事長にお話を伺うと、「一般的なボランティア精神では、とても運営できないし彼らの自立もできない」「本当に社会復帰を目指すなら訓練も厳しくなるし経営者としては当然のことだ」と。
また「しかし、真の愛情を持って当たれば時間はかかるが、彼らは立派に仕事を覚え、自分の責任を確実に果たしてくれるようになる」そうは言っても経営状態が厳しいことは否めない。
そんな中で、ただ、黙々と自身の信ずるところを実践しておられる理事長に接すると自然と頭が下がり、感動を覚える。
口にすることは易しいが、実践となるとそうはいかない。「本物は続くし、続けると本物になる」規模は決して大きくないが、本物の実践者の姿がそこにはある。
但し、どんなに名前入りの商品を使っても「心の底からお客様のことを大切に思わなければ、感動さえなく、心の絆どころではない」
行い続けることも、また同じである。自身の想念のあり様が、凡事を凡事にも偉大な仕事にも換える。