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社長業

Vol.167 「直接に販売すること」と「間接販売」のちがい

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

 自社の扱う商品の特性、価格、流通ネット等によって販売方法は多岐にわたるが、大別すると直接と間接に分かれてしまう。
 両者にメリットもデメリットも双方あるが、永い事業繁栄を考えれば最終的に「直接販売すること」の難しさと皮膚感覚、実感また面白さを社員が無くしてしまっては経営は上手くいかない。
 ましてや中小企業では、なお更のことである。
 
 先日、好調な商品を開発された社長と話す機会があった。独自の商品開発をされ売上も順調に伸びているが、大手の同業社が類似商品を市場投入してきた。どの業界でも日常茶飯にある現象で、正面から競争しても資金力、市場支配力、とてもかなうものではない。
 よって、以前より重点に置いている通販に、より力点を置き、流通卸を抑え気味にする戦略にでた。
 当然、一括卸は販売金額もまとまり、表面的な効率もいい。
 
 しかし社長の決断は固く、効率では劣っても一人一人のご満足や、社員の喜びを優先し取引自体を見直しつつある。
 直接にお客様から御礼が届いたり、逆に苦情をいただいたりしながら、売り方や案内状、お手紙を工夫して、大手ではできないきめ細やかな努力を続けている。
 
 間接販売が悪いわけではないが、どうしてもお客様の顔であったり心情が汲み取れなかったり、お好みの微妙な変化に遅れてしまう。
 
 これは別の巨大企業の経営を長年やられた会長から教わったことであるが、「間接販売で好調が続くと社全体の脇が甘くなったり、現場が傲慢になってしまうことさえある」と。
 
 一つ一つ丁寧に売っている方は、売る苦労が身体に染みついているだけに、気を抜けない。危機感が自ずと違う。
 販売予算の大きさも大切だが、その数字を積み上げている中身、見えない効果も経営者は見抜いていかないと好調は続かない。

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