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仕事術

第146回 遂に普及?! VR最新事情

デジタルAVを味方に!新・仕事術

2016年頃に大きな注目を集めたVR(Virtual Reality)。 日本語では「仮想現実」と表記されることが多く、主に電子およびコンピューター技術を利用して、ヒトの視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚を通じ、「仮想的に現実かのような体験」をもたらすサービスや製品全般を指します。

VRの中でも先行しているのが、VRゴーグルと呼ばれるヘッドセットを用いた3D映像体験。ヒトが受け取る情報の7割は視覚からと言われていて、他の感覚に比べると、比較的簡単に高い没入感を得られ、VRの本命と言ってよいでしょう。しかし、一度は高い注目を集めたものの、エンターテーメント、ゲーム、そして安全に「危険を体感」できる業務訓練用途以外では大きく普及したと言えないのが実情。一般的には、ヘッドセットが重く装着も面倒だったり、映像の粗が目立ち動きもカクカクと不自然など、ナチュラルな没入感が得られなかったのが、その理由と言えそうです。

その後、時は流れて、映像やコンピューター技術は大きく進化。当然VRゴーグルも進化し、2023年は再び注目を集める年になりそうです。
この記事では、2023年のVRゴーグル最新事情と具体的な製品をご紹介します。新しいビジネスの創出、あるいは業務効率化のヒントになれば幸いです。


1) Apple 「Vision Pro」 https://www.apple.com/apple-vision-pro/
2023年6月に、アップルが初めてAR/VRゴーグルを発表し、大きな話題になりました。(発売は2024年予定)。 AR/VRゴーグルは装着すると周辺の人々と隔絶しがちですが、「Vision Pro」は前面にディスプレイを搭載し「目」(表情)を表示したり、装着者も周囲が見えることで、ゴーグルを装着したままコミュニケーションが取れるよう意識しているのが画期的。

ディスプレイも片眼4Kと超高精細でコントラストが高いOLEDを採用し、肉眼で風景を見るかのような自然さを追求しています。価格は約50万円程度と言われており、一般に普及することは無さそうですが、VRゴーグルの概念を新たにするデバイスとして期待されています。設計や手術のシミュレーションなど、業務用途で活用されれば、時間およびコストの節約や、質の向上に繋がるでしょう。情報デバイスは、主役がパソコンからスマホへと変わったように、将来的にはスマホがAR/VRゴーグルに置き換わると考える向きもあります。

2) Meta 「Meta Quest 3」 https://www.meta.com/jp/quest/quest-3/
2023年10月に発売を開始した、Facebookを運営するMeta社の最新VRゴーグルです。製品の特徴はスタンドアロンでワイヤレス。つまり、他にコンピューターなどを必要とせず単体で動作するため、接続ケーブルも不要で、使い勝手の良さが魅力です。また、価格が8万円前後と比較的手頃で、普及を狙った製品と言えます。

筆者も家電量販店の店頭で体験してみましたが、前面にカメラを搭載し、周りの風景とコンピューターによる3D映像を合成する「MR」(Mixed Reality)に対応し、その表示精度も良好。例えば、シューティングゲームで的を外すと、実際の風景の壁に銃痕が残るといった具合。軽量で装着による負担感が少なく、画質もまずまず良好で、VRゴーグルの進化を体感できました。

【写真】ビックカメラ有楽町店の特設スペースで筆者が体験中。


3) Shiftall 「MeganeX」
小型軽量性と高画質を追求した日本発のVRゴーグル。パソコンとの有線接続が前提で、「ヘッドマウント3Dディスプレイ」の性格が強い製品です。OLEDを用いた超高精細で高コントラストな「高画質」が特徴で、6DoF(頭の動きだけでなく、立ち位置の前後左右や、しゃがむといった高さの変化)にも対応し、長時間でも快適かつ高度なVR空間滞在を想定した製品です。

価格は税込み約25万円で、現在は予約販売のみですが、先端製品の展示スペース「b8ta Tokyo – Yurakucho」(https://b8ta.jp/store/yurakucho/)で体験が可能です。(訪問前には展示期間のご確認を!)

筆者も実際に「b8ta Tokyo – Yurakucho」で体験しましたが、高画質によるリアリティーの高さは圧巻。映像というよりは「ほぼ現実」。 また、映像が頭や体の動きにスムーズに追随するので、映像酔いも極めて少なく、最新技術の恩恵を感じました。

【写真】b8ta Tokyo – Yurakuchoで筆者が体験中。

2016年がVR元年とすれば、2023年-2024年は、VR普及元年? 皆様も実際に体感し、新しいビジネスの創出、あるいは業務効率化などに考えを巡らせてみてはいかがでしょうか?

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