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戦略・戦術

第七十四話 高収益高賃金を実現する地域密着型外壁塗装会社の戦略

中小企業の「1位づくり」戦略

こんにちは!1位づくり戦略コンサルタント 佐藤元相です。
本日は地元で一番に選ばれる外壁塗装会社の取り組みをご紹介します。

 

高い志を持って

沖縄の「ちゅらら工房株式会社」は、外壁塗装、屋根塗装、リフォームを専門にしている会社です。従業員は15名で、8年連続業績を伸ばし続けています。売上げは3億円を超え、一人当たりの生産性も業界平均の約2倍と高い水準にあります。
当社は常に「いい会社をつくる」ことを掲げ、戦略的な取り組みを重ねてこれまでやってきました。目指すは高収益高賃金の企業づくりです。

 

具志社長の思い

代表の具志社長は「沖縄の未来を担う子どもたちの教育が何より大切」と語ります。沖縄ではシングルマザーの家庭が多く、生活が厳しい状況です。そのため、教育に十分な力を入れられない現実があります。

具志社長は、「だからこそ私たちはこうした沖縄の状況を打破するために、地域に貢献したい!しっかり稼ぎ、その利益の一部を町のために使っていきたい!」と強い思いを持ち、実践しています。では高収益高賃金の企業を作るために具志社長はどのような戦略を実践してきたのでしょうか?

 

高収益高賃金の企業を目指す戦略

◆営業エリアの決定
まず重要なのは「エリアの決定」です。当社は、地元の西原町を中心に車で25分圏内に営業範囲を定めています。これにより、移動時間を減らし、効率的な業務運営が可能となります。


外壁塗装やリフォーム業では、現場調査や打ち合わせ、見積もりなど顧客との対応が現場で行われることが基本です。営業範囲が広いと、こうした対応に多くの時間がかかり、顧客満足度が下がるリスクがあります。

「丁寧な対応がウリです」と言いながらも営業エリアが広くなると、現状はそうしたウリは理想でしかありません。
狭い範囲で集中して営業することで、スピーディーかつ丁寧な対応が可能となり、顧客からの信頼を得ることができます。


◆顧客対応の向上
売上げが3億円以下の外壁塗装会社やリフォーム会社、メンテナンス会社など、顧客のところへ何度も訪問しなければならない業種の場合、営業エリアを広げると移動時間が増え、顧客対応が遅れる可能性があります。

自社の経営規模に合わせた最適な営業エリアを設定することが社長の重要な仕事です。これにより、顧客から要望に迅速に対応できる体制を整えています。そうすることで地域の方々から信頼される企業へとなっていくのです。

当社は、以下の3つの心構えを大切にしています。
① お役立ちの心がまえ、声かけを大切にね。
② 思いやりの声かけを心がけましょう。
③ お困りごとを解決して喜んでもらいましょう。

営業エリアを絞り込むことで迅速かつ丁寧な対応が可能になり、多くの多くの喜びの声が寄せられています。その結果、紹介・リピートからの契約70%を占め、安定した成長を続けています。
また、地域の方々が参加できるイベントを開催したり、通信を発行しお渡しすることで信頼関係を強化しています。



地域貢献と目指す未来

具志社長は、仲間や地域の幸せを実現することに力を入れています。社員一人ひとりの能力が会社の力であり、全員が同じ方向を向いて進むためには学びが大切だと考え、朝礼で理念や戦略を共有し、勉強会を開催しています。

営業利益の40%は社員に分配することを決め、4か月に1回利益性を共有しながら「お客様に愛される高収益高賃金の会社」を目指しています。数字だけではなく、社員やその家族の幸せを考えた福利厚生や働き方改革にも取り組んでいます。

地域社会とのふれあいや絆も大切にし、西原町の子どもたちの笑顔を増やすため、公園の遊具の塗り替えをはじめ、子供会育成活動、ラジオ体操、自治会・PTA活動、こども職業体験など、さまざまな取り組みを継続的に行っています。

 


着実な成長を目指して

ちゅらら工房は、着実に年輪を増やすがごとく成長し、高収益高賃金の企業を目指し、地域から1番に選ばれる会社へと進化しつづけています。

 



ちゅらら工房株式会社
https://tyurarakobo.com/

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