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戦略・戦術

第七十五話 近くの異業種、遠くの同業種から学ぶ!ランチェスター戦略で成功へ導く展示会営業

中小企業の「1位づくり」戦略

こんにちは1位づくり戦略コンサルタント 佐藤元相です。
今回は、埼玉県秩父市にある株式会社ワン・ユーの取り組みを事例としてご紹介します。

ワン・ユーはOA機器の販売や企業の内線ネットワーク構築、そしてDX(デジタルトランスフォーメーション)の支援を行う会社です。社員数14名の小さな会社ながら、地域の中小企業のIT化をサポートし、秩父の未来を共に創るという強い使命感を持っています。

 

革新を生むための秘訣

ワン・ユーが今回企画した「坂の上のクラウドフェア」は、未来のビジネスを支えるクラウドツールやITソリューションを一堂に集め、秩父の中小企業が抱える課題を解決するための情報を提供するイベントです。

このイベントは、南社長が岡山のIT企業であるネットリンクスのイベントを視察した際に、秩父にはこうした情報が必要だと強く感じ、当社の前田社長のアドバイスを受けて、このイベントを実現しました。

 

ネットリンクス株式会社 https://www.net-links.co.jp/


ランチェスター戦略における格言として、「近くの異業種、遠くの同業種を真似ることが、革新を生む」があります。これは、自社の成長や革新を実現するために、異業種の成功事例や方法を取り入れたり、同業種で地理的に離れた成功事例を参考にすることの重要性を説いています。

 

 

展示会営業における「接近戦」の重要性

今回のイベントの成功の鍵は、展示会前の準備と展示会後のフォローです。ワン・ユーの展示会営業を担当した新井さんは、あきない接点道場でランチェスター戦略を徹底的に学び、特に顧客との「接近戦」の重要性を理解しました。ランチェスター戦略とは、限られた資源を最大限に活用し、特定のエリアや市場で確実に勝利を収める戦略です。

まず、新井さんは展示会の目的、コンセプト、目標を明確にしました。イベントの目的は「秩父の企業に最新のITツールやクラウドソリューションを提供し、彼らのビジネスを次のステージへと導くこと」。そしてコンセプトは「社外のIT担当者として、地元企業に最適なソリューションを提案する」。目標は「秩父の企業がDXに取り組むきっかけを提供し、展示会への参加企業100名集客すること」です。この目的とコンセプトを社員全員で共有し、一丸となってイベントに取り組みました。

 

招待状の手渡しと個別訪問の接近戦

ランチェスター戦略における「接近戦」の一環として、新井さんは展示会の招待状を手作りし、直接お客様に手渡しすることにこだわりました。このアプローチは、単なる情報提供ではなく、お客様一人ひとりに対して関係性を深めるため個別にアプローチするというランチェスター戦略の基本的な考え方に基づいています。

新井さんは手作りの招待状にお客様の個人名を書き込み、秩父の企業を一軒一軒訪問し声かけを行いました。このように個別訪問を繰り返すことで、お客様との信頼関係を築き、イベントへの参加意欲を高めることが実感できたといいます。

「こんなに親身に対応してくれるのか」「わざわざ手渡しで来てくれたんだ」とお客さまから喜ばれたことで、彼女自身のモチベーションもたかまり訪問件数が増えていきました。お客様がその場で予定を確認し、招待状に記載されたQRコードを読み取って申し込みをしてくださるなど、直接手渡しの効果は絶大でした。

 

展示会後のフォローは長期的な関係構築のために

展示会後の取り組みも、展示会営業の成功には欠かせません。イベントへの参加登録企業は80社を越えました。当日は、多くの企業が参加し、秩父の企業が抱える課題に対する具体的な対応方法を提示することができました。しかし、ここで終わりではありません。新井さんは、イベント後もお客様との関係を深め、長期的なパートナーシップを築くために、いくつかのフォローアップの計画をつくりました。

まず、展示会終了後に参加者へ感謝の気持ちを伝えるためのお礼のハガキを送付すること。ハガキには、イベントの感想を記入していただくアンケートも同封し、お客様の声を集めることにしました。また、展示会で出会った企業を再度訪問し、無料相談の機会を設けることで、お客様が抱える個別の課題についてじっくりと対話できる機会をつくろうと考えました。


さらに、展示会で得た情報やお客様からのフィードバックをもとに、次回のイベントやサービスの改善に反映させることを計画しています。こうしたフォローアップを丁寧に行うことで、お客様との信頼関係を強化し、次なるビジネスチャンスへとつなげることができると考えました。

 

私の講演と「内勤営業」の成功事例

今回の「坂の上のクラウドフェア」で、私、佐藤元相の講演の「小さな町工場が内勤営業で業績を120%アップ」というタイトルと内容が、非常にお客様に響いたと伺いました。

この講演では、内勤者がプロフィールシートを使って年に1度社長と共に顧客を訪問する内容や、独自のアンケートを通じて顧客訪問の機会を作り出し、パートナーシップを構築していくというポイントを紹介しました。
参加者からは、「目からうろこが落ちた」「すぐに実行したい」といった感想が多く寄せられたと聞いています。話しの熱量が高いことと、分かりやすく具体的な事例が多いことからメモする人がたくさんいたと知りました。特に、内勤営業の具体的な手法が中小企業にとって非常に役立つものであったと南社長は今回の展示会と研修の組み合わせに高い評価をされました。

 

 

強い思いを胸に、秩父の未来を共に創る

「坂の上のクラウドフェア」は、ワン・ユーの“秩父の企業を支援したい”という強い思いから生まれたイベントです。初めての開催ということで不安もありましたが、社員全員が一丸となって取り組んだ結果、80社以上の企業が参加し、大成功を収めることができました。私も講演でお役に立ててとても嬉しく感じています。

 

持続的な地域貢献と成長戦略

ワン・ユーは、ただの業者としてではなく、お客様と共に未来を創るパートナーとして、これからも秩父の企業の成長を全力でサポートしていきたいと強い思いをもっています。「いい会社をつくるために、一緒に課題解決しませんか?」というメッセージを胸に、ワン・ユーは地元密着でお客様と共に歩んでいきます。

秩父の発展、地域企業と共に未来を創ってくことを心から願っています。

 



株式会社ワン・ユー
https://one-u.jp/

第七十四話 高収益高賃金を実現する地域密着型外壁塗装会社の戦略前のページ

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