最先端の経営姿勢として「ウェルビーイング経営」の言葉が広まっています。そのウェルビーイング経営には、実は大きく分けて二つの意味があります。二つのウェルビーイング経営の違い、みなさまはご存知でしょうか?この違いを理解しておかなければ、ウェルビーイング経営を誤解してしまう可能性もあります。今日は、2つのウェルビーイング経営について、その違いやメリットも合わせてご説明します。ぜひウェルビーイング経営の導入に役立てください。
1 ウェルビーイング経営には広義と狭義の二つがある
ウェルビーイング経営には、二つのアプローチがあります。一つめは、広義のウェルビーイング経営、もう一つは、狭義のウェルビーイング経営です。まずは、この違いを良く理解しておきましょう。
2 広義のウェルビーイング経営とは
まず一つ目は、広義のウェルビーイング経営です。この経営スタイルは、自社のステークホルダー全員の幸せを共に創り出すことで、持続的な社会と組織の成長を目指します。ステークホルダーには株主、顧客、取引先、従業員、地域、環境、未来など多岐にわたる関係者が含まれます。
さて、ここで経営者の皆様ならピンとくるものがあるのではないでしょうか。そう、広義のウェルビーイング経営は、日本における「三方良し」の考え方に近いものです。具体的には、自社だけが利益を独り占めるのではなく、お客様や従業員をステークホルダーと考え、共に発展することを大切にします。これは、近江商人の理念である「三方よし」に通じるものです。
広義のウェルビーイング経営は、この考え方を更に拡張し、ステークホルダーを社会や未来、環境などに広げた経営戦略です。このアプローチでは、ステークホルダーが幸せになり成長することで、自社事業も幸せな成長を遂げるという「幸せの循環」を追求するものです。
3 狭義のウェルビーイング経営とは
ウェルビーイング経営にはもう一つのアプローチである狭義のウェルビーイング経営があります。この経営スタイルでは、多様なステークホルダーのうち、「従業員」のウェルビーイングに特に重点を置き、持続的な成長を促進するための経営戦略を展開します。具体的には、従業員の健康状態をしっかりと把握し、健康状態がアップするような施策を立てます。運動プロジェクトを取り入れたり、メンタル疾患を防ぐセミナーや知識の提供などもその一つです。
4 二つのウェルビーイング経営を区別して理解しよう
最近、ウェルビーイング経営という言葉が頻繁に使用されていますが、一般的には狭義のウェルビーイング経営、つまり従業員のウェルビーイングの向上に焦点が当てられることが多いようです。
ウェルビーイング経営について知る際には、広義のウェルビーイング経営と狭義のウェルビーイング経営、どちらについて説明しているのかを、区別して考えることが重要ですので、ここをしっかり抑えておきましょう。
そして、それぞれのウェルビーイング経営には異なるメリットや効用が存在します。
ここからは、それぞれのウェルビーイング経営がもたらす、メリットや効用についてご説明します。まずは、広義のウエルビーイング経営のメリットです。