「会社の成長が停滞しているのに、何が問題かわからない」「売上は伸びず、組織の生産性も上がらない」――そんな状況に陥っていませんか? もしかすると、あなたの意思決定や組織の仕組みがボトルネックになっているのかもしれません。
企業の成長は「経営者の意思決定」と「組織の仕組み」で決まります。売上や効率化を追求しても、その2点がその足かせになっていないでしょうか?
「自律的な社員を育て、生産性を高めたい」。経営者なら誰もが願うことです。心理的安全性(従業員が遠慮なく意見を言える環境)の確保も、その基盤となるのは確かです。しかし目的を「快適な職場づくり」と見誤ってしまうと、事業は発展しません。今、経営者に求められるのは、それらを経営戦略に組み込む力です。 成功している企業は、社員の働きがいや心理的安全性を、意思決定のスピードや競争力強化に活かしています。ここに経営の成否を分ける決定的な差があるのです。
自社の障壁となっているものは何かを特定するため、10の問いを用意しました。経営の仕組み・リーダーシップ・業務プロセスなどにまつわる事項を自身に問い、優先すべき課題を特定して、成長戦略を加速させる準備を進めましょう。
この記事のポイント
1.本記事の質問を「組織成長の分岐点判断」として活用する
2.「組織の心理的安全性=利益拡大のエンジン」と位置づける
3.経営者自らが生産性について率先して自問自答する
組織の生産性と収益性を測る5つの質問
1.売上や利益につながる新しいアイデアを積極的に提案する社員がどれぐらいいるか?
新しい収益機会を生むのは、現場の声と行動です。心理的安全性が乏しい職場では、売上拡大の芽が奪われてしまいます。
2.社員が売上に影響する課題を即座に報告し、解決策を提案できるか?
売上に直結する情報が現場で止まると、経営判断が遅れます。あらゆる従業員が萎縮せず声を上げられる環境が不可欠です。
3.経営陣は、収益を伸ばすために「何をやめるか」を決めているか?
今利益を生み出しているやり方も、放っておけば劣化します。業務プロセスの改善を現場任せにしている企業は、無駄なコストを削減できず利益は頭打ちになります。
4.経営判断の根拠は、データと現場の声の両方に基づいているか?
個人の感覚や経験則だけでは、判断の精度に限界があります。競争・変化の激しい現在の市場では、客観的事実と現場からのフィードバックにきちんと向き合う姿勢が欠かせません。
5.必要なスキルを持つ人材を、最短で戦力化する仕組みは整っているか?
人材確保の遅れは、競争力を損ないます。採用や教育に時間がかかりすぎると、競争優位性を失うリスクがあります。
意思決定の質と組織の持続性を測る5つの質問
6.製品・サービスの品質を『1人あたりの成果』で支える仕組みはあるか?
人を増やさずに売上を伸ばす施策がなければ、利益率は悪化します。1人あたりの生産性を高める戦略が明確になっているかを見直しましょう。
7.社員の労働時間は『努力の結果』ではなく『成果の要素』として評価されているか?
「がんばり」を評価する時代は終わりました。重要なのは、どれだけ効率よく価値を生み出せるか。経営陣や管理職のリーダーシップが問われる点です。
8.「低価値な業務を排除する設計」が組み込まれていますか?
成長を続ける企業は常に価値の低い業務をこまめに見つけて削ぎ落とし、リソースを集中投下しています。不要な会議や非効率な慣習、部署間で重複するタスクなどが放置されていないかチェックしましょう。
9.経営者の時間の使い方は、成長戦略と直結しているか?
経営者の時間配分が、組織の発展を妨げている可能性もあります。現場の問題対応に時間を奪われるのではなく、優先度の高いタスクに集中できているかどうかを定期的に振り返りましょう。
10.例えばあなたが1カ月会社を離れても、組織は問題なく動き続けるか?
「社長がいなければ回らない」組織は、持続的可能とは言えません。常に未来を見据え、経営者が率先して業務の属人化を脱してください。同時に、経営視点を持つリーダー層の育成が必要不可欠です。
3つ以上「No」なら…すぐに着手すべき次のアクション
これらの問いに対する回答に「No」が3つ以上あるなら、組織が停滞しているサインです。競合他社はすでにこの問題を解決しているかもしれません。課題を特定し対策を講じる必要があります。すぐに着手してください。
データドリブンな意思決定のシステムを導入する
事業や施策の費用対効果、労働時間と人件費比率などのデータをリアルタイムで可視化し、判断のスピードを上げましょう。DXはゴールでなくそのスタートラインです。
低価値な業務を洗い出し、カットする
全社で低価値な業務を洗い出し、不要なルールや手順を削減すれば、社員一人あたりの生産性がアップします。
自身の時間の使い方を見直し、戦略の策定や調整に集中する
経営者の時間は「組織の未来をつくる」ためにあるべきです。少なくとも週単位でスケジュールを見直し、核心業務にリソースを集中できる基盤を作りましょう。
次世代経営者を育成し「経営の属人化」を防ぐ
経営から現場まで、すべてを「個人依存」から「仕組み化」へ。次世代リーダーへ権限分散・委譲できる事業や意思決定プロセスがないか、検討してください。
【まとめ】強い組織を作るのは、経営者の意思決定
組織の成長は、環境や運ではなく、経営者の意思決定と仕組みで決まります。「No」の数が多ければ多いほど、変革の余地は大きいです。今すぐ行動を起こし、競争力のある組織へと進化させましょう。