手書きのお礼状・サンキューレター
リモートワークの浸透により、人と会わなくとも仕事がまわるようになりました。
通勤時間にかかるストレスが減り、働く人にとって自由につかえる時間が増えました。企業にとっては「WITHコロナ時代」の新たなステージに入ったと言えるのではないでしょうか。
その一方で、ソフト面においてはいかがでしょうか。会話が減った分、お客様とのやりとりに苦心していないでしょうか。また、孤立している社員さんはいないでしょうか。
ここ最近、拙著『お客の心をつかむ 売り込みゼロの3分ハガキ術』(日本経済新聞出版社)の読者から何通か感想ハガキをいただきます。4年も前に発刊された本にもかかわらず、今こうして感想が届くのは「人と会えない今、手書きのハガキが効く」ことの証明なのだと感じています。
今回は、ビジネスシーンでお客様に宛てて手書きのお礼状、サンキューハガキを送るときのポイントをざっくりとお伝えします。
ほんの数行、1行でもOK!
昔ながらのお礼状の書き方の本やHPを見ると、ハガキの裏面一面にみっちりと文字が並んでいるものがあります。
しかし、今の時代に喜ばれるのは軽やかなひと言です。信頼関係が出来上がっている人同士のやりとりであれば、話はまた別ですが、商品をまだ一度も購入したことがないお客様や、名刺交換したばかりの「お互いがよく知らない間柄」でびっしりと文字を書き連ねた1枚を送ると、相手はプレッシャーを感じて身構えてしまいます。
「よく知らない人なのに、熱く思いを伝えられても、受け止められない」
「売り込まれているようでコワい」
そう不安にさせてしまうのです。
SNSやLINEのメッセージとは異なり、郵便によってわざわざ手元に届く手書きの1枚には、ただ手書きであるだけで、すでに圧倒的な力があります。
「ありがとうございます」のひと言だけでも十分、価値があります。
ほんの数行、いえ1行、ご機嫌うかがいのつもりで、さらっと書きましょう。
5つの要素に目を向ける
多くの人は、手書きしようと思うとまず「文章を考えるのが苦手」「心をつかむ言葉が思い浮かばない」「文字が下手」などと、文章や文字に対する苦手意識から、書くことをためらいがちです。
しかし、それは非常にもったいないし、もっというなら、ナンセンスです。
わたしたち人間の脳は、文字より見た目(ビジュアル)に強く反応します。新聞でも、見た目や写真に目が留まり、そこで初めて本文を読みはじめますね。
文章や文字も大切な要素の一つにちがいありませんが、受け取る側の立場になって考えてみると、印象に残るのは、そこに綴られている文字や言葉より、「どんな絵柄のカードだったか」「どんな切手が貼られているか」という見た目のデザインのほうが、はるかに大きいのです。
わたしはいつも手書きのお礼状には次の5つの要素があるとお話ししています。
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紙
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筆記具
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文章
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手書き文字
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切手
以上5つの要素をトータルで考えることが大切です。