
我社を大きくしたい、強くて儲かる会社にしたいと企図するならば、社長は「成長拡大」と「安定」の2つの戦略課題を、同時に、意図して実行しなくてはならない。日本経営合理化協会の理事長として全国の経営者に、自ら「幾代にもわたる事業の繁栄」を指導する牟田太陽が、永く儲かる会社をつくるための大原則を語る
地方の単品食品メーカーが売上2倍となった理由
私が塾頭を務める「無門塾」は、毎期16社限定の社長塾ですが、塾生は皆、長寿企業の経営者ばかりです。
創業50年以上はザラで、ある期は3分の1が百年企業ということもありました。
永く繁栄している会社が何をやっているか。その戦略は十人十色ですが、共通して言えることは、「成長拡大と安定」の両方を〝同時に〟追求し続けているということです。
同時に、というのが非常に重要で、安定だけを追求していては、会社は大きくならない。良い会社にはなっても、やがてジリ貧になっていく。
そうかといって成長拡大だけを考え、いたずらに増客を行なっても、開拓した顧客を守り続けることができなければ、それはザルで水をすくっているようなものです。
だから社長は、絶えず、両方を同時に追求することが事業の命題なのです。
石川県にケンコー食品という老舗の冷凍食品メーカーがあります。
杵つき餅を油揚げで包んで煮て冷凍加工した「餅きんちゃく」という商品を売っていて、地元の石川県で、病院や介護施設、学校の給食として長く愛されています。
数年前に、「業績は安定しているけれど、5年先、10年先を考えたときに先細っていかないよう、どうすればよいか…」と、社長の本城さんが初めて私の無門塾に来られました。
本城さんから会社の状況をいろいろおうかがいしたのち、私は、こう申し上げました。「社長が真っ先に手を打つべきは、増客です。いまは一社のお得意先が売上の6割を占めている。その会社に生殺与奪を握られているのと同じです。だから、早急に得意先を増やしてください。」
ケンコー食品は、これまで安定の追求はバッチリやっていました。「餅きんちゃく」の品質を磨いて、価格も抑え、お客様第一主義で、お得意先をがっちり掴んでいました。しかし、その安定にかまけて増客をサボっていたと、本城さんは猛省され、新規顧客の開拓にすぐに取り組まれました。




















