税務署が見ている仕入れ取引の変化

税務調査において、売上の次に必ず調べられるのが仕入れです。
仕入れは売上原価そのものであり、利益に直接大きく影響するため、時間をかけて重点的に確認される科目だからです。
「仕入先からの請求書を保管していれば、問題になることはないだろう」
そう考えている社長や経理担当者がほとんどです。
しかし、税務調査では請求書があるというだけで仕入れが認められるわけではありません。
税務署は、取引の実態までさかのぼって確認します。
特に仕入額が増加傾向にある会社や、売上原価率が変動している会社では、仕入れが重要な調査対象になります。
そこで今回は、税務調査における仕入れ取引の注意点について、解説します。
前回の税務調査では、仕入れに関して何を調べられましたか?
仕入れの経理処理で否認される典型的なケース
税務署は、仕入れに関して、次のような視点で取引の実態を疑ってきます。
「仕入計上の時期が間違っていないか」
「商品や材料の購入金額や数量は売上に対して不相当でないか」
税務調査で指摘が多いのが、仕入れの前倒し計上です。
例えば、4月に納品された商品を、3月決算の仕入れとして処理しているケースです。
発注書や請求書の日付が3月でも、実際の納品・検収が翌期であれば、3月決算分の仕入れとしては認められません。
また、見落としやすいのが、在庫との関係です。
仕入れは仕入金額がそのまま費用になるわけではなく、実際に売れた分だけが売上原価として損金(税務上の費用)になります。
実際に仕入れていても、売れ残った分は在庫(資産)として翌期以降の費用になるからです。
例えば、小売業では、決算期末に大量に商品を仕入れて、在庫を実際より少なく計上することにより利益を圧縮する経理処理が税務調査で否認される典型例です。
悪質な在庫隠しは、重加算税の対象となることもあるので注意してください。
税務調査では、仕入と棚卸資産(在庫)は、必ずセットで確認されることを知っておきましょう。
売れ残った商品や材料を正しく在庫で計上していますか?





















