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第64号「ゴールセティングの期限切れ」

米国スポーツ・ビジネスに学ぶ心理学

この時期になりますと(3月)お正月に立てたゴール(目標)も大方の人は忘れてしまうようです。データによりますと90%以上の人がこの時期には既にお正月に立てたゴールさえ覚えていないのです。

なぜ、あれだけ燃え上がって心から“今年はダイエットする!”“今年は禁煙”などなど…色々なことを本心から誓ったはずなのに、燃え上がる感情がどこかにいってしまうのか? 

それはゴールを立てるときの動機と大きく関係します。

どの様なことかと申しますと“~をやめる”“~の誘惑を断つ”などは本人にとって魅力的なことではありません。「~を止める、~を諦める」といったことに興奮する人などいません。唯一このモチベーションを維持させる力があるとしたら、それは意思の力だけです。意思の力で長期にわたってモチベーションを維持することはとても難しいのです。

反対に、自分が欲しくて、欲しくてたまらないもの「が得れる」と思って行動を起こすとなれば話はまったく別です。アメリカではこれをPush(押す) VS Pull(引く)と表現します。片方は意思の力によって頑張って動かそうとするのに対し、もう片方は自分の望んでいる方向に引っ張られてしまうということを表現しているものです。

この違いお分り頂けますでしょうか?

偉大な記録や業績を達成して来た人達の裏には必ずこのPull(引っ張られる)が存在することが分かります。Push(意思)のみの力で進もうとすると状況が悪くなってくると簡単に諦めてしまいます。これに対しPullは自分に得や、報酬が(自分にとって)貰えると思っているのですから四六時中このことを考えてしまいます。

結果、気がつけばそちらの方向に引っ張られる、別な言い方をすれば引き寄せられていってしまうわけです。

ですから何かゴールを立てる時、「~を止める、~を諦める」と考えるのでなく「~を得られる」といった自分への報酬をイメージしましょう。この報酬を考える時は楽しく、故にお正月に立てるゴールも3月で終わることはありません。その時に我々の最大の武器「Pullの力」を使うことができるからです!

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