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97軒目 「地産地消の餃子」

大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

 京都出張の折、食通の友人、松村さんがもう一件行こうというので、筋肉痛にも負けず、二件目へ行くことになりました。
 最初は吉田ソースのお姉さんがやっている『吉田』という店に行こうと思ったのですが、残念ながらお休みでした。
 帰りかけると、「ちょっとマニアックですが、思いのある餃子屋どうですか?」と聞いてきました。
「では、そこにしましょう」
私たちは、タクシーに乗り込み移動しました。
 
 場所は、四条駅から徒歩6分くらいでいけるところなんですが、かなりはずれにあります。松村さんの友人の井手シェフの人気店『旬風庵』のそばです。井手シェフの名物メロンを器に使ったジャガイモのスープも気になりますが、松村さんのおすすめの餃子店にします。
 
shikumi97_01.jpg セットバックした入口でいかにも厳しそうですが。中に入ると日曜日にも関わらず満席です。しかも、下げものがちょいおいついていないような忙しさ。
「どうしてしまったんだろう、こんな場所で…」と思わず思いました。
 
 メニューは餃子のみです。そう、本当の餃子専門店。定食にせよ、飲むにせよ、餃子を食べる店です。この割り切りが凄いですね。選択の余地を与えず、ただひとつの商品にかけているというわけですね。楽しみです。
 
shikumi97_02.jpg 餃子は化学調味料、にんにく、ニラを使用しておりません。
 一般によくある「うまい!」と叫ぶ、満腹中枢を刺激するガンガンガンタイプの餃子というより、やさしく、じわじわ、しみじみというスローハンド。
 
 店からの食べログの情報を見ると、「京都・高辻で誕生した「ぎょうざ処 亮昌」。地産地消を心がけ京都市長賞を受賞した伏見・中嶋農園のキャベツや京もち豚京の伝統野菜、九条葱など、なるべく地のものを使用しております。お味付けも、かつおだしベースに京の料亭御用達の「山利」の味噌を加え京風に。一般的な餃子と違い、中華調味料を使用せず素材の味が際立つ「京料理」に通じる滋味深い味わいでにんにくが気にならない和の「ぎょうざ」としてもご好評をいただいております。黒煎り七味と村山造酢の千鳥酢を使った醤油ダレにつけて是非、ご賞味ください」とあります。
 
shikumi97_03.jpg それにしても、この場所で日曜のこの時間に満席というのは凄すぎます。想いのある良い商品は全ての条件を乗り越えるということでしょうか!
 
 この手の商売をやるとき、大切なことが三つがあります。
商品を信じること。自分を信じること。お客様を信じることです。
 
 どんな第一印象的な思い込みで意見を言われても、これにかけた以上、続けること。退路を断ち、この三つを乗り越える。すばらしい商売を見た気がしました。とても、勉強になりました。
 
 
亮昌(すけまさ)
京都府京都市下京区堀之内町263 1F
電話 075-201-6175
→食べログ内ページ

 

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