資産の管理運用の前提条件として、景気循環に関する認識は非常に重要です。
今回の世界同時不況と景気循環を考えた時、現状を金融経済危機
からの回復過程と考えるだけでは慎重さを欠くことになるでしょう。
今回の不況について、日米政府共に景気後退は2009年13月期を底に最悪期を脱したとの見方を強めています。
しかし、ギリシャ問題など景気の二番底を警戒すべき事態も発生し、最悪期後の景気見通しは様々です。
そこで、今後の方向性を考えるために景気循環の型に関して検討してみましょう。
V字型は急落した景気が元の水準まで急回復するタイプで、大型の景気刺激策が奏効した中国がその例になりそうです。
U字型はV字型よりも景気の底が長いのが特徴ですが、日本がこの型になるならば幸運といえます。
L字型は急落後、回復がはっきりせずに底をはうタイプ。
W字型は一旦回復するものの、本格回復前に再び下降して二番底をつけて回復するものです。
レ(チェックマーク)型は急落後、回復水準が以前よりも相当低い水準に止まります。
勿論、これ以外のタイプも起こる可能性があります。
今後の景気循環が何字型になるかは、将来の考察を待たねばなりませんが、資産の運用管理に当り、
現在の景気認識を「V字型の反発過程」と単純に考えるには無理があるという点で異論は少ないでしょう。
この際、一旦立ち止まって「日本の景気循環は何字型か」と考えてみることは、慎重な投資行動の役に立つことでしょう。