大阪の北新地に常時900種類の品揃えをしていますバーボンバーがあるのをご存知でしょうか。
今月は、バーは開業して50年以上で、日本にバーボンを持ってきた男、御年79才の工藤乾祐さんの『十年(とおねん)』をご紹介しましょう。
ホームページによれば、10年一区切りと『北新地本通で、漢字の屋号で、誰もやらないバーを』と1967年6月日本で初めてのバーボンウイスキー専門店『十年』を開店したそうです。2階のわずか3坪、カウンター7席のみの小さなバーからのスタートでした。工藤さんは、バーボンは本来南部の由緒ある飲み物で、西部劇に出てくるウイスキーのイメージを払しょくしたいとの思いがありました。工藤さんはアメリカ領事館に足を運び、掛け合い、アメリカ領事館、広告代理店と日本バーボンウイスキー普及協会を立ち上げ、長年、バーボンウイスキーの啓蒙につとめてきました。まさにパイオニアです。
2001年12月にかねてからの念願である 北新地本通1階に移転し、益々、バーボンの啓蒙に勢いがついたそうです。
まずはAngel`s Envyから。
バーボンは西部開拓者のイメージがありますが、実はお金持ちの飲み物で、とてもエレガントな味わいのものが多いです。それを実証するため、続いては、50年もののIWハーパーを飲んでみます。
このボトルは、もはや輸入元のサントリーにもなく、「写真を撮らして欲しい」といらっしゃる代物です。
30年くらい前からか、ハーパーは大量生産になり、万人受けする酒を作るようになりました。だから私が飲んでいたのは工業製品のハーパーで、だから味が全く違うのです。この50年もののハーパーは、分厚い板なのでしっかり焦がした板の成分が瓶内で調和して、バニラの香りと甘さを出しているので、極めておいしいです。
余韻も凄いです。これはちびちび飲めんでも、十分なボリュームがあります。
しかも、飲み干して空になったグラスでしばらく耐えられます。
せっかくですから、現状のハーパーと同時対比しましたが、喉に引っかかる感じです。これは別物ですね。喉にひっかかるとか飲んでいて異物感がある酒はあなたの体に合わないので、飲んではいけないよ、と菊姫の社長にちょうど教わったばかりです。
ちなみに、『十年』のチェイサーは高温の熱処理をしていないミルクです。アルコールの分解作用があるからと工藤さん。ある意味、こちらのスペシャリテですね(笑)。
最後に、BOURBON STARです。
Old Cooperも素敵です。エチケットが皮でできているものもあります。
いつまでも、いや、せめて900種類あるバーボンが無くなるまで店を続けて欲しいですね。


















