"読書セラピー"という言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。
簡単にお伝えするならば、
「読書によって問題が解決されたり、何らかの癒しが得られたりすること」
と本書の著者で日本読書療法学会・会長の寺田氏。
この読書セラピー、世界的には広く認められていて、
たとえば、イスラエルでは国家資格として読書セラピストが存在。
イギリスでは代替医療の一環として政府公認で取り組まれているとのこと。
2009年にイギリスのサセックス大学で行われた調査によると、
お茶や散歩、ゲームで遊ぶ、といったリラックス法の中で
最も効果の高いものが読書である、との結果が!
ストレスレベルを68%も引き下げたと報告されています。
また、アメリカのイェール大学が12年にわたって行った研究調査では、
読書する人は、しない人に比べて、2年も長生きしたことが
わかっています。
知れば知るほど興味深いこの読書セラピー、
本好きの皆さんならば、その名を知らずとも、既に何度も読書セラピーを経験してきた、と
いっても過言ではありません。
ぼくは、幼少時からずっと本に助けられ、力をもらって生きてこられましたので、
ある意味、"読書セラピー三昧"の人生、であります(笑)
本書は、読書セラピーとは何たるか、に始まる理論編、
どんな本をどのように読むのか、といった実践編、
さらには具体的なおすすめ本の紹介まで、幅広く網羅。
個人的には、日本での読書セラピーの始まりが、
あの吉田松陰だったという点にも、大変興味を抱きました。
読書について多方面からアプローチされていますので、
今までとは一味違った刺激を得られること、
間違いなし!
本書が、読書の価値や効果を再認識するキッカケになるはずです。
コロナ禍で心身が疲弊しがちな今、
読書が、これまで以上に多くの人に必要とされ、役立つ時。
ストレスを軽減し、寝つきをよくし、長生きさせてくれるうえに、共感力まで高めてくれる。
本を読むこと自体が、癒しにも力にもなる!
ビジネスに役立つことは言うまでもなし。
読書への新たな眼を養うとともに、困ったときの救いにもなる、
貴重な一冊です。
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『海辺のカフカ』(演奏:エミール・ヴィクリッキー)
これは、チェコのジャズピアノの巨匠、エミール・ヴィクリッキーが
村上春樹氏の小説から着想を得て仕上げたアルバム。
読書と音楽の架け橋になるような1枚で、非常に興味深い内容になっています。
合せてお楽しみいただければ幸いです。
では、また次回。