「ビジネスに必要なものは何ですか?」
と質問されたら、どう答えますか。
さまざまな答えがあると思いますが、
「個人の空想が重要なカギを握るのではないか」
と語るのは、今、多方面から注目を集めているショートショート作家の田丸雅智氏。
「スティーブ・ジョブス氏によるiPhoneや、ジェフ・ベゾス氏によるアマゾン、
イーロン・マスク氏によるスペースXなどは、それぞれの人物の空想から生まれたものです。
そんなように、世界を変える、新しい商品やサービスのアイディアは、
個人の空想の中に眠っているはずなのです」
と言います。
確かに一理ありますよね。
ならば、経営者やリーダーにとって必要な空想力を身につけるには
一体どうすれば良いか?
今回紹介するのは、小説家による異色のビジネス書、
『ビジネスと空想』(著:田丸雅智)
『ビジネスと空想』(著:田丸雅智)/amazonへ
です。
世の中では、空想のイメージは、必ずしも良いとは言えません。
ましてビジネスの現場では、非現実的というか、
馬鹿げた御伽話のように受け取られても不思議ありません。
しかし、本書では、空想の持つ可能性や意味をいくつもの観点から解説。
そして、その空想を具体的にどのようにビジネスに活用するのかを
誌面上でのワークショップを通じて、実感できる構成になっています。
ぼくも試しにやってみたところ、今までにない自由な感覚というか、
楽しく考えることができてビックリ。
実際、田丸氏は、自社や自社の業務領域にまつわるショートショートを執筆してもらい、
新しい商品やサービスのアイディアを考えるという
企業向けワークショップも行っているとのことで、非常に腑に落ちるものがありました。
これはぜひ体感していただきたいものです。
目から鱗とまではいかなったとしても、今までにない感覚を得られるはずです。
さらに、巻末には、経済学者の入山章栄氏との対談も収録。
「これからは妄想の時代だと僕は思っています。
結局、未来へのある意味でぶっとんだ妄想と現実が結びつくことでしか、
未来へのイノベーションは起こせないからです」
との自説を持つ入山氏との対談を通じて、
ショートショート発想法が、いかにビジネスに有効なのかが見えてきます。
コロナ後の新時代を勝ち抜くためにも、今すぐ読んでみてください!
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は、
『王のパヴァーヌ ~空想 安土城御前演奏会 信長公ご所望の南蛮音楽~?』(演奏:平尾雅子)
『王のパヴァーヌ ~空想 安土城御前演奏会 信長公ご所望の南蛮音楽~?』(演奏:平尾雅子)/amazonへ
です。
このCDは織田信長が活躍した1550年から1580年代に、
主にイタリアや、スペインで人気のあった楽曲を収録。
しかも、「もし信長公がここにいらしたら、御所望であったに違いない出し物を揃えました」
と演奏者の平尾氏が述べているように、まさに空想の世界!
本書に通じるものがあり、あわせてお楽しみいただければ幸いです。
では、また次回。