※本コラムは2024年5月の繁栄への着眼点を掲載したものです。
リーダーとは、「リードする人」のことである。社員とは、フォロワー「追従する人」のことである。人を引っ張る人でなければリーダーとはいわない。社長はそうでなければいけない。
リーダーシップとは、「人を牽引する力」のことをいったり、「人にやらせる前に自ら実践している人」のことをいったりする。
WBCで日本を優勝に導いた栗山監督は、読書家で知られる。弊会の本もお読みいただいている。その関係でインタビューをさせていただいたり、全国経営者セミナーで講演をいただいたりもした。その中で栗山監督は、「一流の選手は、本当によく練習している。監督という立場は、そういった選手たちに『ああしろ、こうしろ』と言わなければいけない。だから、人一倍勉強している姿を見せなければいけない」とおっしゃっていた。まさに、「人にやらせる前に自ら実践している人」である。
先頭に立って牽引するのは難しいことである。どちらの道を行くのか選択する先見力、未開の地を切り開く開拓力、やり続ける持続力…どれも勇気や忍耐がいる。誰だって怖い。
それをやり切るには四つの行動指針が必要である。
一、 絶好の機には思い切って断行すること。優柔不断ではいけない。
二、 信念は貫くこと。途中で挫けてはいけない。
三、 いかに急を要するときでも思慮深く冷静であること。判断を間違ってはいけない。
四、 不測の事態には、素早く問題を把握して機敏に対処すること。ぐずぐずしてはいけない。
代を変わられて、二代目、三代目の相談を受けていると残念ながらできていない人もいる。
自らお客様の元へ足を運ぶことを嫌がり部下にやらせたり、立派な社長室に閉じこもり外に出なかったり、失敗の責任を社員に負わせたり、自らを鍛えずに権威に頼ったり…そういう人もいる。
故一倉 定先生が言っていたように、社長室に閉じこもる社長をアナグマ社長という。故後藤昌幸先生は社長室の壁を情報遮断板と言った。その中には新商品・新事業のネタも、お客様もいない。
覚悟が無ければリーダーシップは張れない。
社長一人でやれることは小さい。限られている。しかし、社長の覚悟だけではなく、社員全員の覚悟が集まれば会社は売り上げ分の力を発揮することができる。それを活かすも殺すも社長次第である。どうか強い強いリーダーシップを発揮して、会社という船を目的地に導いてほしい。
※本コラムは2024年5月の繁栄への着眼点を掲載したものです。