こんにちは。香港在住海外進出コンサルタント野田久美子です。
さて、前回のコラムで「香港は親日である」とお伝えしましたが、今回はその利点を十分に生かせるように更にもう少し具体的にお話しいたしましょう。
香港人の親日ぶりは本物!
近年ではメディアやインターネット、viviなどの中国語版ファッション雑誌もコンビニに並んでおり、最新の日本の話題や流行など情報源は無限となり、それらは関心や興味だけにとどまらず「行きたい」「見たい」「食べたい」「欲しい」と需要も華々しいのです。
なかでも、生活に欠かせない“食”に関しては、日本食は大人気!寿司・刺身、ラーメン、カレーに居酒屋メニュー、はたまたスウィーツまで、毎日行列を成す店もあるほどです。
04年4月以降は、香港特別行政区(SAR)か英国海外市民(BNO)のパスポートを所持する香港居民に対し、90日以内の日本短期滞在についてはビザが不要となり、香港人が日本へ旅行することも容易となりました。
よって、彼らにとって日本はもっと身近になり、これまでの期待も外さなかったのでしょう。表向きの目立った部分だけではなく、文化・習慣の他、地理的にも地方各地までと、至る方面への関心が高まっています。近年、訪日外国人観光客で2回以上、いわゆるリピーター率が高いのも香港人という統計もあるほどなのです。
都心だけじゃない。地方各地まで知名度が急上昇!
そして、今や人気の観光先とは東京だけではなく、地方各地に分散されており、なかでも北海道は不動の人気ぶり。
彼らの目的として、まずは「食」。香港人も新鮮で安くて美味しい海鮮とラーメンが大好物。それから「雪」。香港では雪が降らないため一度体験してみたいというのです。行き先は札幌の他、小樽、釧路、旭川と幅広く、富良野のラベンダーの季節に合わせて計画を立てる人もいます。
他にも、国際空港がない和歌山、鳥取、長野らも彼らに知名度があり、「和歌山は海もきれいで魚が美味しい。大阪に近くてショッピングにも寄れるから」となかなかツウな見解を持っています。
また、香港には湯船につかる習慣があまりなく、非日常的となるからでしょう。温泉も「気持ちいい」と大人気で、更に「田舎の方が好き。都会の人よりもっと親切だし、空気がきれいで、食べたことがない美味しい郷土料理が楽しめる」と、より地方を好む傾向も増えているのです。
これは香港で日本食がブームであっても、メニューとして郷土料理まではまだ少ないため、「初めて食べた。すごく美味しかった。また食べたい」と目を輝かせるほど。
これらの情報はテレビの旅番組やガイドブック、インターネットから入手するようで、地方の温泉宿のホームページでは英語や中国語ページも設けているところもあり、自分で予約もしやすくなっています。
また各都市の観光協会や自治体なども外国人観光客獲得を目指し、PR活動に励んでいることもあるため、我々よりますます日本ツウが増えているのです。
『フロム・ジャパン』が第一武器!
このような状況もあってか、北海道の名が付けば、少々高くても何でもかんでも売れたという小売業者もいましたが、今では、地方各地の知名度の広まりと同時に、彼らの知識も豊かになり、価格の相場も知り出しています。
従って、生鮮食品以外では、進出の際の課題点となることもしばしば起こります。
◆ わたくしがレポーターもいたしました「香港レポート・パート2」(オリコンスタイル)で、
香港ナンバーワン百貨店SOGOの売り場の様子もご覧いただけますのでご参考ください。
日本の皆さんは、こんな香港事情をご存知でしたか?
「日本が大好き!」という彼らに、そんな香港の市場に、『フロム・ジャパン』だからこそ参入がしやすいことが第一にいえることを。
そして、次に「コレだ!」と勝負をかける商材となるわけですが……。商材とは、決して目に見える物品的なものとは限らず、情報、権利、技術・能力、サービスなど商売上、消費者に提供するもの。
「じゃ、何がいいのか?」「どれがニーズに合うのか?」「どうずればいいのか?」
今後、更に香港人の好み・消費傾向などをしっかりと探っていくことにいたしましょう。
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