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戦略・戦術

第10話 「一番の危険判断は土地の購入」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

今 日まで多くの会社の危機に直面し、手助けをしてきた。 
その中でやはり1つの現象は有利子負債(銀行、リースの借りすぎ)を身に過ぎた(売上比、総資本比)借り方をしていることであろ う。
なぜそんなに借入金が多いのか、固定資産、特に分不相応に土地を持ちすぎているのである。なぜも、こうも経営者は土地が好きなの か。
 
・ 土地は重要で信頼できる資産である
・ 担保になる
・ 自分達のものになる、信用が増す
・ 値上がりする
・ インフレがいつか又来る
・ 文句なく土地が好きである
・ 二度とこんな土地は手に入らない
の理由があげられる。
 
・ 借りものの上にいる不安さから逃れ、自前の土地にいる安心感
・ 毎月々の地代を払うぐらいなら買った方がましである
との判断からたいてい無理をして土地を購入する。
私は土地を持つことを反対しているのではない。ちゃんとした財務知識、財務思考の計画をたてての上なら結構なのであるが、たいがい杜撰であ る。
 
下記の3つの方法との最下段の貸借対照表を見ていただきたい。3億円の土地を購入したいというとき、経営者はどうするのであろうか
 
clinic10_01.jpg
 
方法1が一番危険である。絶対に避けるべきである。
それぞれの方法について税引前利益がいくら必要かを考える。
 
方法1で15年で借りると 毎年 2千万円元金返済が発生する   4400万円必要
方法2で15年で借りると 毎年1.33千万円元金返済が発生する  2700万円必要
方法3で15年で借りると 毎年7百万円元金返済が発生する   1400万円必要
 

土地を購入することによって、方法1の場合、税引前利益が、4400万円以上たたき出さない事には間違いなく返済金は返せないのである。(返す 気がなければ別だが)
すなわち、機械や建物と異なり減価償却が発生しないので、返済原資は税引後利益しかないのである。
 持つことを目的としている不動産業は別としても土地を所有したからといって急に利益は上がらないのである。
 又、15年間も毎年確実に利益があがる保証などないのである。
 土地を購入するなり、意思決定するにはやはり最低1/3は自己調達、すなわち資産の部の定期預金や有価証券を取り崩してあてる。1/3はでき るだけ長い長期資金に頼り、足らずの1/3は資本金を増やすか、経営者一族が貸付ける。返済がせまらない自由な資金でゆきたいものである。
 長期借入金を返しては短期で借りる、借金地獄だけには入らないことです。
 
clinic10_02.jpg

 

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