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第188話 「資本金が1億円以下の中小企業の方が利点は多い!」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

東京・川崎・横浜に物流貸倉業を営む、株式会社パシフィックエンタープライズ(仮称) の会議室に招かれました。

 

「御社の資本金は5億円ですが・・・・?  なぜ こんなに多いのですか?」

 

「我が社は多くの上場会社 わけても輸出が多い日本のトップメーカーの製品を預かっております。

先代の口癖で先様からの大切なお荷物をお預かりしておりますので、信用が大切です。その信用のバロメーターは、資本金ではないでしょうか?

5億円の資本金にするにも資本金を増やすため大変な苦労が要りました。資本金が多いのは、いけないとおっしゃるのですか?」

 

「社長 お聞きしますが御社は大企業ですか? 中小企業ですか?」

 

「勿論、わが社は中小企業ですな」

 

「あなたは、なぜ自社は中小企業なのに ★外形標準課税など課せられているのかと不満をおっしゃっていますよね?」

 

「そうなんですよ!」

 

「売上規模も社員数も利益額も中小企業なのに、資本金を5億円にされているからですよ!」

 

「しかし、今更、資本金を1億円にしたり、もう縁もない株主を排除したいと思っても不可能ですし・・・」

 

「不可能?  いいえ。不可能ではありませんよ!  大阪の上場会社の吉本興業でも資本金を1億円に減額されていますよ」

 

「資本金を1億円にすると見た目は悪くなるし、外部の資本提供者がすんなりと同意してくれるでしょうか?・・・」

 

「そのために、私を呼ばれたのでしょう・・・ちゃんとしてみますよ! 」

5億円の資本金を1億円に減資する。やったことのない方は、どのようにしてやるのか、大変な大仕事と想像されるでしょうが、いたって簡単。

 

5億円の資本金を1億円にする。4億円の資本金は下の剰余金に組み入れられることなのです。資本の部,純資本は何も変わらないのです。今や発行株数で計算するので、株主には何の不利益もありません。

 

振替伝票一枚で済みますし、官報にそれを掲載すればよいだけです。

 

株式会社パシフィックエンタープライズ(仮称)は、今日では1億円の資本金にして外形標準課税もかかってきません。

「なんで1億円近くなのですか?」 と質問された方がいらっしゃいます。

 

「資本金1億円までは、中小企業とみなされるからです」

 

「中小企業とみなされては小さい、信用がないと思われますから1億円以上の方がいいのでは・・・?」

 

「そうですね。経営者がお金をたくさん持っているなら、1億円以上の資本金にするのも良いかもしれません! しかし、税金負担が増えますよ!」

 

税制であるとか雇用であるとかで諸々の運営上のメリットが中小企業にはあります。日本の会社は97%が中小企業です。政治家は中小企業の振興策を種々考えています。大企業より中小企業の方が何かにつけて優遇されていると私は考えています。左がかった政党は、大企業が優遇されていると非難しますが、私は的外れであると思っています。

 

中小企業の経営者の方も20年~30年と経営されてこられたら、自分の懐にもお金が貯まってくるはずです。中には証券取引所へ上場している会社の株式に投資されて、儲かった!  損した! と楽しんでおられる方がいらっしゃいます。定期預金の極めて小さい金利をもらって安心している人もいます。

 

投資した会社の中身の実態も分からずに B/S、P/Lも分析できないで、大切なお金を証券会社のセールスマンに勧められて、見ず知らずの会社に投資しておられる方をみて???と思います。

 

経営者は自分の会社以外の他社などに大切なお金を投資するなどもっての外です。1億円未満なら早く資本金を1億円にしてください

 

金融機関から借り入れるよりも小規模私募債として、経営者自ら会社に貸し付けられてはいかがでしょうか?

 

経営者引き受け私募債は、自己資本として見てくれますし、金利率も5%位は取れます。劣後債と同じです。

 

投資有価証券より利回り、安全性から考えても自社にお金を入れるべきです。

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