私の様に年配者になり、経営コンサルタントとして市場末端の売り場を見てきた者には、この60年間の様変わり、大変化するあり様、すごいスピード化する状況に対応するのはかなり困難が伴いました。
小売業には伝統的な百貨店があり、他は商店街での専門店であった。それが1960年頃からスーパーマーケットが躍進しだし、それが10年もすれば小型のコンビニエンスに移り、その間にホームセンター、自動車、家電、本、家具,衣料の大型量販店の進出が見られました。
その間にカタログ販売として 無店舗販売が根強く小売販売の一角を占めていたのです。
これらの先陣は米国で発生したもので、アメリカ視察を行った経営者がそれに続々と挑戦したのであります。
此処にきてIT技術の導入で、今やネット販売手法が強まり、アマゾン・楽天・ジャパネット・モノタロウ…大型ネット販売が先人の百貨店・大型量販店を押し潰す勢いを占めています。デパートの衰退はすでに勝負はつき、イトーヨーカ堂のような大型量販店も衰退がはじまっています。
私の関係先、A家庭雑貨メーカー、B容器企画会社、Ⅽ掲示板メーカーも今までは 問屋、専門商社、専門店経由で販売していたものが 今日では大型ネットチャネルを直に通じての売上が、全体の50%を占めるようになり、粗利益率においても大きな改善が見られているのです。
他の会社に 「ネット経由で商品を流すことを考えてみては?」と アドバイスすると
「手数料が高くて利益がでない!」 と反対論をおっしゃるのです。
すでに行動している社長は
「そんなことは無いですよ わが社から直にネット会社の倉庫に送り込めば済みますし、在庫管理状況も分かりやすく、回転率も高く、システムで動くのですから、合理性もあり、効率がぜんぜん異なります」 との答えでした。
なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?
今日までに構築した安定化した販売チャネル、商習慣、得意先との信頼関係、ノウハウを時代が変わったからと言って、頭・体を簡単に切り替えられるかと言えばそれは無理です。
既存の大きな強いライバルと争っても勝ち目のない後発会社は、時代に生まれてきた新しいやり方に挑戦しなくては生き残れないと行動を起こすのです。
歴史ある老舗経営者はどうしても過去を否定して、新しいやり方に一歩 足を踏み込めないのです。
歴史を見れば弱小な後発会社は、新しい事に挑戦しているのです。売り物を変える、進化させる、得意先、市場を切り、新しい先と取引するのです。
時代が進化すると、システム・ITが出現して地域差、時間差、人間が間に入ることすらなくなり、正確性、スピード性、空間性は無くなるのです。
老化、世の中、新しい進歩について行けなくなり、頭の中は古い価値観しか残っていません。脳の中は倉庫です「先入後出し」
昔 入った古いものが脳の倉庫の奥に入っており、最近 入ったものはすぐに出てしまい残存していません。奥のものを全部処分しろと言っても脳の中はそれが出来ないのです。
方法は一つ 若い経営者の脳の中身を使うことです。若い脳が古い価値観に侵されないことで新しいノウハウを入れる事です。
販売チャネルは常に変わります。
自社が躍進するためには、挑戦して革新することです。