男性のビジネスシーンにおける正式な装いを、「ビジネスドレス」といいます。
スーツ: チャコールグレーもしくは、濃紺
シャツ: 白もしくは白に準じる程度の薄いブルーなど
ネクタイ: 無地、小紋柄、ピンドット、ストライプ、小さい幾何学模様が一定に配置された柄
靴・ベルト: 黒もしくはこげ茶
このように、ルールが明確で、形と種類が決まった中から、
それぞれの個性・職種・役職や社会的立場をTPOごとに装い分けられてこそ、弁えのあるエグゼクティブです。
選択の範囲が狭い中であるからこそ、小さく微妙な違いが「大きな違い」として第三者に受け取られるのです。
これがビジネスシーンでの重要なイメージを左右します。
中でも、身体を覆う面積が広く、また濃い色目であるスーツに関しては、
様々な方より非常に多くの質問をいただきます。中でも色合い。
ビジネスドレスのスタンダードカラーは上記の通り、チャコールグレーもしくは濃紺。
しかし、比較的お若い方もしくは、ファッション性の高い装いやブランドがお好きな方から
「黒はどうなのでしょう?」という質問があります。
まず、ビジネスドレスのスーツには、
黒に限りなく近いチャコールグレーや濃紺はありますが、「黒」は適していません。
ブラックタイの装いでは、当然ながら黒を着用します。しかし、ビジネスシーンの正式な装いでは無いのです。
では、黒のスーツが店にあるのは何故か?それはお洒落の比重が高いものとして存在しています。
業種や専門分野、TPOにより、ビジネスシーンでそれを採り入れられる方もいらっしゃるでしょう、
しかし、大抵のビジネスパーソンにとってビジネスの第一線では着用することがメリットにならないのです。
ビジネスドレスの正式感のあるエレガンス(上質感)と、ファッション性・お洒落のエレガンス(上質感)とは
目的が違う為、イコールではありません。
では黒をビジネスシーンで着用するには
1)「ビジネスカジュアルのシーン」
ビジネスシーンでのカジュアルダウンの1つとして、上下そろいのスーツではなく、
ジャケットに黒を取り入れるのが良いでしょう。
2)「黒を自然にこなせるパーソナルカラーグループ」
ご自身のパーソナルカラー(髪や瞳などの色素)の中に、黒と同じ濃さをした強さを持っていることが大事です。
髪が茶色く、目も薄い色をした方が黒を着てしまうと、その色の濃さに負けてしまい、顔色が冴えず、
不健康にみえてしまいます。エグゼクティブに不可欠な、精悍な顔立ちから遠のいてしまうのです。
黒という色は上手く取り入れれば、上質感や高級感を高められます。
しかし、それはどのような人が、どのような素材やスタイルのものを、
どのような場面で、どのように装うのかですべてが変わります。
8月ももうすぐ終わり、秋冬に向けたスーツの仕立を始めている方が多くいらっしゃいます。
「今のご自分に相応しいものは?」と考える良い機会かもしれません。
ファッション(流行)やご自分の嗜好も加味しつつ、ご自分のイメージはどうあるべきか、
どのようなイメージを求められているのかをふり返ってご覧になるのは如何でしょうか。
それに合ったワードローブを揃え、不必要なものを取り除くだけで、迷いが無くなり、
ご自分のイメージマネジメントがより一層は効率的なものになります。